水管理が重要となる水田
電試作センサ機器
管理可能な水田エリア範囲
水田管理システムの全体像
有限会社おっとちグリーンステーション(宮城県登米市)、立山科学工業株式会社(富山県)、株式会社日立ソリューションズ東日本(宮城県仙台市)
東北大学電気通信研究所
平成25年10月〜平成27年3月
本研究では、水田集約における遠隔地等の管理の問題、既存の農業用管理機器は導入コストが高価等、米農家のコスト低減を阻む一番の問題である「点在する水田の管理」を解決する技術開発に取組みます。下記の技術を統合し、保温、雑草抑制、養水分供給等、水稲栽培で最も重要な役割を持つ「水管理」を効率化する管理システムを実現します。
本研究において実現される水田管理システムは中小規模の稲作農家でも導入可能であり、現在と同様の人員で約5倍以上の水田管理が可能で、コスト削減による経営の合理化や、余剰人員を他部門(園芸、加工、販売など)に投入する付加価値型の農業経営が波及効果として期待されます。
また、手間がかかり、敬遠されがちな農地管理が可能となるため、耕作放棄地の解消、さらに、水田管理技術の蓄積が可能なため、蓄積した情報を技術継承に活用することで、農業人材の育成・新規就農者の増加にもつながることも期待されます。
センサ開発においては、センサ機器の第1次試作品が完成し、平成26年2月よりフィールド実験の結果を基に、改良を行っています。
広域無線ネットワーク技術については、基地局アンテナの試作設計が完了し、通信機器配置エリア図を基に平成26年1月より受信電界強度を実測を開始しています。
農業情報統合管理システムについては、基本設計が完了し、平成26年2月より詳細設計、プログラミング、試行用クラウド環境構築を開始しています。
本用途のセンサー等機器やシステムは数多く開発されていますが、導入コスト・ランニングコストとも高過ぎるため、ほとんど実用化に至っていません。その原因は、実際の農業経験の無い技術者が、過剰な仕様の設計を行っているためと判断し、今回は、『企業責任者の永年の農業経験から蓄積された知見や見識を活かし、極力”必要最小限の仕様“に留める』ことを勧めました。その結果、”センサーも含め、低コストシステム“を創り出せる見通しがつきました。
(担当マッチングプランナー 仙台事務所 藤田慶一郎)