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取り組み・成果

最終更新日:平成26年1月31日

環境・社会基盤・その他

自然エネルギーをコンバージョンEVへ効率的に充電可能なシステム

コンバージョンEV車を活用した蓄電システムの構築に関する試作・検証

室内のモーター、ミッション部

室内のモーター、ミッション部

後部荷台バッテリー、ブレーカー、コントローラー、充電器

後部荷台バッテリー、ブレーカー、コントローラー、充電器

企業

株式会社タック(宮城県仙台市)

研究機関

東北大学環境科学研究科

研究開発実施期間

平成24年9月〜平成25年3月

研究概要

震災復興の1つの課題である自然エネルギー(太陽光、風力、ミニ水力等)の有効活用のために、大量発電により余った電力を売電するのではなく、電力必要量以下で発電し全量使い切る思想を基に、充電器を改良しコンバージョンEVを試作しました。
既存の充電器は、充電できる電力が設備の定格の値以下になると充電できません。このため、天候等によって発電量が左右される自然エネルギーを利用する場合、充電器の定格以下の余剰電力はEVへ充電できず、エネルギー有効利用がはかれません。
この課題を解決するために、充電器を改良し、試作したコンバージョンEVに充電するシステム構築のための基礎検討を行いました。中古車をEVに改造した車は、最高速度60km/h、航続距離30kmを実現しました。また充電器のツマミをステッピングモーターで回転させて充電器の定格を調整し、充電器から電池への充電量(電流)をPCから操作して、どのような量でも充電可能なシステムを試作・検証しました。

期待される効果

東北大学環境科学研究科は、「スマートビルDC/ACハイブリッド制御システム」の開発・実証を行っており、東北地域における電力不足、災害時の電力供給等の被災地の課題を解決するために、安定的な電力供給システム構築を目標として掲げています。
エネルギーマネジメントシステム(EMS)による太陽光発電及びリチウムイオン2次電池の発電・充放電の最適制御として、照明機器、OA機器、電気自動車(EV)及びEV充電器の制御を行います。
余剰電力を利用したEV充電を行うことにより、太陽光発電量と電力消費の需給バランスを監視して、発電量が消費を上回る時にEVへ充電し、エネルギーの有効利用をはかれ、EVをエネルギー輸送媒体として位置付けることもできます。
被災地において現在鋭意検討を行っている「まちづくり」の計画の一部に本システムを採用することにより、低炭素まちづくりの一翼を担うことになり、エネルギーの効率的利用による経済的価値の創出、CO2排出削減による地球温暖化抑制という社会的価値の創出にも貢献できます。

研究開発成果

改良充電器との情報連携が可能なコンバージョンEV(試作品)の完成
・H23年4月27日に制定されたガイドラインに従った、車検取得可能、かつ実用できるレベルの試作車
・中古車:平成13年ダイハツ(GD−S200Vハイゼット、排気量660cc)
・使用バッテリーシステム:128V、60AH

改良充電器の制御フロー

改良充電器の制御フロー

取り組み・成果