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取り組み・成果

最終更新日:平成26年3月31日

医学・医療等

終末期患者にも、家族にも、在宅医にも優しい見守りシステムを!

在宅終末期見守り用小型軽量無線式省電力心電計の開発

見守りシステムの心電計と情報端末

見守りシステムの心電計と情報端末

企業

株式会社リアルデザイン(宮城県仙台市)

研究機関

東北大学サイバーサイエンスセンター

研究開発実施期間

平成25年1月〜平成26年12月

研究概要

慢性期終末医療において、施設を必要としない在宅医療の充実は今後の医療を見据えた有力な選択肢の一つです。現在ホルター心電計など在宅でも使用可能な心電計が商品化されているものの、体力のない終末期の患者に装着するには重すぎ、心電波形を遠隔地に転送するものでは無く、連続使用時間も24時間程度です。
本プロジェクトは、東北大学・吉澤研究室が有するシーズ(植込み除細動器の長時間動作のためのアルゴリズム&ソフトウェア技術)を応用して、電池交換なしで連続7日間心電波形を測定し心電波形異常時にはアラームを発出して、無線でベッドサイドの携帯端末に送信する小型心電計を開発します。インターネットを通じて医師が心電波形をいつでも確認でき、医師らの定期的な訪問時に、装置をメンテナンスすればよく、在宅医療充実の有力な一助になります。

期待される効果

震災の被災地を抱える東北地区には高齢者が多く住み、従前より医師および地域中核医療機関の被災による不足などから在宅医療そのものをまさに今必要としている地域です。一方、医師の立場からすると、現状では在宅医療を行う医師数は不足しており、終末時期の近づいた患者を担当する在宅医師は自分自身の時間を待機時間に配する必要があり、医師にとって非効率的であるほか、精神的・肉体的にも大きな負担となっています。
在宅患者の生命兆候を長時間正確にリアルタイムで把握する手段があればこの課題解決は大きく前進することになります。本課題の開発製品およびそれを用いた終末期在宅医療システムの実現と普及は被災地のみならず全国的にも社会的に極めて価値が高いものと考えられます。

マッチングプランナーの声

申請相談を受けた時は、第一段階は小型高性能なバッテリーを搭載した心電計の開発、第二段階は非接触無線給電方式を適用した心電計および給電装置の開発という内容で、開発アイテムが多くまた適用シーズが企業の保有技術力では対応しきれそうもないものでありました。医療サイドからの要求条件(7日間の連続使用)を満たすことを優先し、バッテリー省電力方式に絞り込んだプロジェクトとなりました。
(担当マッチングプランナー 仙台事務所 青山勉)

在宅終末期患者見守りシステムの概要

在宅終末期患者見守りシステムの概要

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