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取り組み・成果

最終更新日:平成26年1月31日

医学・医療等

胃がん・甲状腺乳頭がんをソフトウエアで自動検出

病理画像のがん検出ソフトウェアの開発

がんの診断とは

がんの診断とは

開発体制と製品化への流れ

開発体制と製品化への流れ

企業

株式会社クラーロ(青森県)
有限会社イグノス(岩手県北上市)

研究機関

産業技術総合研究所
弘前大学医学研究科

研究開発実施期間

平成25年3月〜平成27年3月

研究概要

近年、がん患者数が急速に増加している一方で、医師の不足や偏在が社会問題となっています。特に、がんの有無や性状を確定するための病理検査を担う専門医の不足は深刻です。病理検査では、内視鏡検査や手術などの際に人体から採取した組織標本を顕微鏡で観察して病気やその原因を確定しており、大変な労力と根気のいる作業です。そこで本研究では、「組織標本の画像を解析してがんを自動検出するソフトウエア」の実現を目指します。これにより診断能力が大幅に強化されるので、病理専門医の負担が減るばかりか、診断精度の向上や検査の迅速化など、患者にとっても大きなメリットが期待されます。
医療の質の向上に寄与すべく、クラーロが培ってきたデジタル病理画像撮影装置の開発力、産業技術総合研究所のパターン認識技術、イグノスによる高速画像処理(微細欠陥検出)技術、弘前大学が有する病理画像解析のノウハウを結集します。

期待される効果

波及効果として、東日本大震災の被災地企業であるイグノスが開発予定のソフトウエアを実用化し、医療分野への参入を果たせば、現在有している画像処理技術に加えて更に付加価値の高いビジネスができます。それに伴い事業・雇用の拡大、地域の活性化へ繋がり、それが循環していくことにより、被災地域復興に大きく貢献できると予想されます。
 また全国的にがん患者は増加傾向であり、対して病理専門医の数は今後減少していく見込みです。故に一人あたりが診断する検体数は増え続け、その負担を減らす為には、「検診の最適化・高度化・定量化」が求められます。開発するソフトウエアでその一部を担うことができれば、病理の現場の課題解決に寄与できると考えています。さらに、病理診断の迅速化や高品質化によって、わが国だけでなく世界の保健医療に貢献します。

最終的に目指す製品のイメージ

最終的に目指す製品のイメージ

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