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取り組み・成果

最終更新日:平成26年3月31日

医学・医療等

クラウド環境と知識処理を用いた高血圧診療支援システムの開発

生活習慣病関連情報基盤と動脈硬化性疾患診療支援システムの開発

高血圧治療診断支援システム・表示画面(1)

高血圧治療診断支援システム・表示画面(1)

高血圧治療診断支援システム・表示画面(2)

高血圧治療診断支援システム・表示画面(2)

企業

株式会社エフコム(福島県郡山市)

研究機関

福島県立医科大学医学部
会津大学

研究開発実施期間

平成24年11月〜平成25年3月

研究概要

当研究では、多種多様な医療関連データを扱いうる「生活習慣病関連情報基盤」を構築し、高血圧治療ガイドラインに基づく分析機能を「動脈硬化性疾患診療支援システム」として開発しました。現在、異なるシステムを利用している医師、保健師、患者などが、一つのプラットホームを共有し、健康管理と治療に関わる有効性の高い情報をそれぞれが理解しやすいように可視化された形で受け取れるようにすることを目標にしています。具体的には、医療現場における電子カルテシステムや、人間ドックや健康診断用などのシステムから得られる高血圧症を含めた動脈硬化性疾患に関連するデータや、血圧計、歩数計、体重計、体温計、酸素飽和度など、日常生活で得られる基本的なバイタルサイン測定機器からのデータなど、様々な医療情報データをクラウド環境に集約し、情報基盤を地域データセンターに構築し、ガイドラインに基づいて最適化された診療プロトコルをもとに、データマイニングなどの知識処理技術を用いた分析を行うなど、ICT技術基盤を活用することにより、診療支援などのサービスをセキュアな環境で提供するものです。

期待される効果

東日本大震災に起因するストレスなどは、目に見えない形で健康に影響を与えています。これらを最小限に抑えるためには、得られたデータを柔軟に分析し、自動的に結果を提供する共有可能な医療健康管理情報基盤が有用であり、被災者の健康管理や健康指導に活用することができます。データサーバを災害の少ないところに設置しバックアップを複数個所に置くことで、災害に強い情報基盤を構築することが可能です。また、少子高齢化や地域の過疎化などに伴う自治体の財政難に対しては、新たな地域医療連携を構築する次世代医療支援ソリューションの開発により、医療費の抑制や地域活性化につながる経済的効果も期待できます。

マッチングプランナーの声

被災企業は、地域に密着した情報サービスを提供する中堅企業として一定の評価を得ており、電子カルテなどの医療情報サービスの提供においても業績をあげていますが、将来の事業展開における新たな事業分野開発を模索している所でした。しかしながら、JSTなどの研究開発支援金の申請の経験はなく、また大学等との共同研究実績もなかったため、連携先の学とのマッチング、研究開発立案及びマッチング促進への申請支援を行いました。
(担当マッチングプランナー 郡山事務所 石川安則)

生活習慣病関連情報基盤のデータ連携

生活習慣病関連情報基盤のデータ連携

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