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取り組み・成果

最終更新日:平成26年3月31日

放射線測定等

湖沼・河川底の堆積物中の放射線測定が可能な水中測定機器の開発

湖沼・河川・海底等の堆積物中の放射線量測定機器の研究・開発

牽引式測定の概念図

牽引式測定の概念図

プローブの全体写真

プローブの全体写真

フィールド試験(福島大):測定器の運搬

フィールド試験(福島大):測定器の運搬

フィールド試験(福島大):測定器の牽引状況

フィールド試験(福島大):測定器の牽引状況

フィールド試験(福島大):指示計(地上ユニット)の状態

フィールド試験(福島大):指示計(地上ユニット)の状態

企業

応用地質株式会社(茨城県つくば市)

研究機関

日本原子力研究開発機構

研究開発実施期間

平成24年10月〜平成26年3月

研究概要

当研究は、湖沼・河川・海底等の水中堆積物の放射線量を把握するため、信頼性の高い水中放射線量の測定機器を開発し、その実用化を図ることを目的としています。湖底等の堆積物中に含まれる放射線量は、拡散した放射線物質が雨水によって池や河川、湖沼などに集積され、局部的に高い放射線量を示す場所が存在することが予想されますが、水中堆積物中の放射線量を測定可能な計測計器の開発が遅れ、情報提供がほとんどなされていない状況です。今回、開発した放射線計測システムは、プローブと称する検出器を湖底等に着底した状態でけん引しγ線測定を行う装置であり、広域的に放射線量を把握することができ、また湖底の比抵抗が同時に測定可能であり堆積物の状況を推定することができます。これにより、湖沼等の堆積物の放射線量情報を迅速に提供することができ、復興に貢献することが期待されます。

期待される効果

地中・湖底・河川・海底の堆積物中の放射線量を測定することで、将来的には、降水から河川・湖底・海底に堆積するまでの水循環に伴う放射性核種の循環を検討できるようになると考えられます。この放射性核種の移動経路についての検討は、現在行われている除染作業に対しても、効率的な除染箇所の選定に向けた有益な情報を提供し、復興に大きく貢献できるものと考えます。その他の波及効果として、フィールドでの検証試験、さらには将来的なモデル地区での継続観測調査を通じて、地元での雇用に貢献できるものと考えます。

マッチングプランナーの声

被災企業である応用地質(株)(機器工場:茨城県つくば市)では、水中の放射線量測定センサーを開発しましたが、効率的な面的測定への対応が課題となっていました。(独)日本原子力研究開発機構ではウラン探鉱技術(水中の放射線測定技術等)を通じて上記課題へのノウハウを蓄積しており、両者のマッチングを進め、研究計画、立案等を行いました。
(担当マッチングプランナー 郡山事務所 奥本武城)

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