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取り組み・成果

最終更新日:平成26年1月31日

医学・医療等

水中運動を見える化〜煌(きらめき)〜

水中治療に向けた人体の3次元計測技術の開発

水中LED「煌」

水中LED「煌」

屈折誤差計測装置

屈折誤差計測装置

マルチカメラによる運動計測

マルチカメラによる運動計測

企業

有限会社アイエス・エンジニアリング(岩手県盛岡市)

研究機関

岩手大学工学研究科

研究開発実施期間

平成25年2月〜平成25年5月

研究概要

健康の保持増進を目的とした水中運動が注目を集めています。しかしながら、水面での光の乱反射等の影響を受け、水中内での運動のなかでも関節の動きを見ることが極めて困難であり、水中リハビリの安全管理の点からも水中3次元動作計測が必須です。
我々のグループが開発したモーションキャプチャー用水中LEDマーカー「煌」用いて今後需要増が見込める水中リハビリ用の三次元計測開発を進めています。水中ではLED発光マーカーとカメラによる計測が安定したコントラストが得られ従来技術に比べて有効ですが、カメラ撮影時のマーカー中心ズレと透明な壁面の屈折誤差が技術課題でした。この課題に対し、複数のカメラを用いた場合のカメラ位置認識及び屈折誤差の補正のための計測装置を作成し、実際の水中環境下におけるLEDマーカー位置座標を陸上から取得することで、屈折誤差の定量化を可能とするデータを得ました。

期待される効果

本技術は水中動作での監視に応用できるため、水によって体重を免責して行うリハビリテーションシステム(水中リハビリロボット)にも活用でき安全性を高めることができます。また、本技術の将来展開として安全な水中リハビリロボットを世界に先行して開発することが可能となります。
被災地域から最先端リハビリ技術を発信することによって、医療系ものづくり産業集積と創出、医療介護サービス産業の創出、雇用の創出などの経済効果と水中リハビリロボットの製造と販売の事業拡大効果が期待できる他、泳動作の解析や水着をはじめとしたスポーツ用具開発にも展開の可能性があります。

研究開発成果

本技術の精度を検証する目的として30μmの精度を持つ移動ステージを用いて精度の確認および補正に向けた定量的なデータの取得により製品化に向けた課題の明確化を行いました。それにより水中における3次元動作分析技術の確立および製品化の可能性が格段に向上しました。本計測技術を確立する事により低価格での水中動作分析が可能となり、病院やリハビリ施設、スポーツクラブに水中動作分析が普及し、新たなサービスや雇用を生み出す事を見込んでいます。

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