突起成形方法
突起成形時の様子
突起成形(SPCC)
山野井精機株式会社(茨城県牛久市)
茨城県工業技術センター
平成24年12月〜平成25年3月
車両フレームには3,000個以上/台の突起があり、それらはカシメ、溶接により接合されていますが、部品点数および作業工数の削減とともに低コストとなる鉄鋼材料の接合方法の検討が進められており、この外、航空機、高速車両、電気機器等においても板物への接合レス突起成形が必要となっています。また、当社では非鉄金属材料での高速突起成形技術を保有し、製品試作を行って各種展示会にも出展してきましたが、鉄鋼材料への当技術適用の可能性を打診されることが増加したため、高速突起成形に向けた回転ツールユニットを開発します。
研究開発にあたっては、鉄鋼材料を摩擦・攪袢による発熱を短時間に800℃以上に昇温するため、高強度および高耐熱性を持つ回転ツールを検討するとともに、加工機械および冶具等への伝熱による加工精度低下および焼き付き発生を抑制するための冷却法を検討し、鉄鋼材料への適用の可能性を探ります。
当社では従来から非鉄金属材料分野において同技術による製品試作を行ってきており、要望の多い材料分野である鉄鋼材料への高速突起成形技術が可能となる回転ツールユニットを提案することができれば、幅広い材料分野への適用要請に応えることが可能となるため、企業間競争に打ち勝つことが期待できます。
とくに、グローバルな受注競争が当たり前の昨今ではコスト競争力アップにつながる工程削減を実現するツールとして、国内企業向け製品として提供することにより国内立地指向の企業にとって有効なものになるものと思われます。
鉄鋼材料への突起成形加工が可能であり、加工時のトラブル防止のための冷却法の見通しも立ちましたが、実用化につなげるためには耐久性の高い回転ツール開発が不可欠であり、具体化に向けて材料メーカーおよび装置メーカーと連携していく予定です。
山野井精機(株)はマグネシウムおよびアルミニウム材の高速突起成形に取り組んでおり、企業要望が多い鉄鋼材料へ適用する研究計画がありました。これを基に事業スキームに合うよう課題抽出・研究実施計画、スケジュール等の見直しを行ってきました。実用化には幾つもハードルがある状況ですが、克服して幅広い事業展開を期待しています。
(担当マッチングプランナー 郡山事務所 鴨志田敏行)