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取り組み・成果

最終更新日:平成26年3月31日

環境・社会基盤・その他

NEW廃材を活性炭に!真の資源循環を目指して!

廃材を利用した高活性炭素材料創成

研究背景と研究目的・目標

研究背景と研究目的・目標

賦活に対する水熱処理の適用

賦活に対する水熱処理の適用

H24〜H25年度成果概要

H24〜H25年度成果概要

今後の検討事項

今後の検討事項

企業

仙台環境開発株式会社(宮城県仙台市)、株式会社ECO(宮城県仙台市)、株式会社フォレスティ峯岸(宮城県仙台市)

研究機関

東北大学工学研究科

研究開発実施期間

平成25年1月〜平成27年3月

研究概要

資源循環型の水質浄化プロセスを構築するため、温度、圧力、溶媒環境、助剤 添加などのパラメーター並びに物性を幅広く制御することが可能な水熱炭化法を活用して、廃木材から高比表面積且つ高機能な活性官能基を持つ活性炭を製造する技術を開発します。目標とする活性炭の性能は、比表面積500m2/g、砂ろ過と併用することで化学酸素要求量の除去率90%、粘土微粒子及び微生物屍骸の除去率60%以上、更に、JIS K1474(活性炭試験方法)で適用される項目の基準を満足するものとします。先ず、ラボスケールで高比表面積と官能基付与を達成させる反応条件を詳細に検討し、製造した活性炭の物性および機能を評価します。本反応条件を基に、小規模の水熱炭化装置を設計、製作し、プロセス条件の検証を行い、活性炭製造の事業化に向けた実用化技術を構築します。

期待される効果

水熱炭化法は、従来の石炭系活性炭の製造方法に比べ、低温で活性炭を製造することが出来、環境負荷の低減に役立つ技術です。また、水中において炭化するため、排煙が発生せず、塩分などを含んだ廃木材においても周囲の環境に影響を与えません。製造設備費及びエネルギーコストの面において非常に有利です。水熱炭化法を活用した本開発プロセスは、低コストで資源再生による循環型社会構築に貢献出来るイノベーション技術です。従来の石炭系活性炭に比べ、活性炭のコストは激減(1/5程度)する見込みです。

これまでの研究開発成果

ラボスケールにおいて、水熱処理条件として温度(400℃以下)と薬剤(酸、塩基、酸化剤各種)との種々組み合わせを検討した結果、官能基の付与の形態の把握、比表面積の拡大(〜500m2/g)、メソ孔(2〜50nm)およびミクロ孔(2nm以下)の発生に関する定性的な理解、さらには水質浄化用活性炭の指標となるメチレンブルー吸着試験での良好な結果の獲得(〜60mg/g)をそれぞれ達成し、それらを踏まえて反応条件の最終確認に入りました。並行して、小規模の水熱炭化装置の製作も完了しました。今後、本水熱炭化装置にラボスケール条件を適用し、活性炭の製造、実用化に向けた評価を進めていきます。

参画企業の声(マッチングプランナーの関わり)

 当社の抱えている課題が、マッチング促進の助成制度に非常に適合性が良いとのマッチングプランナーの説明を受け、申請に踏み切りました。申請書作成から、採択後のスケジュール管理、予算執行、課題に対して的確なアドバイス、支援を頂いています。厳しい指摘もありますが、本研究に深く係って頂き、スムーズな研究が出来ていると感謝しています。
(仙台環境開発株式会社 総合技術研究所 上級研究員 高谷敏彦)

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