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取り組み・成果

最終更新日:平成26年1月31日

環境・社会基盤・その他

安全・安心なテレコントロール操作草刈り機で家畜の餌用の草を生産

安全、安心なテレコントロール操作草刈り機の開発

草刈り機全容

草刈り機全容

片手操作テレコン

片手操作テレコン

刈り取りモアー動作角度

刈り取りモアー動作角度

企業

株式会社エヌケー製作所(福島県郡山市)

研究機関

仙台高等専門学校

研究開発実施期間

平成25年1月〜平成26年3月

研究概要

高速回転刃を装備した市販の草刈り機は、木屑・石等の異物を飛散させ作業者に極めて危険であり、刈った草が飛散するため集草し難い機械です。これらの欠点を解消し、作業者に安全で、かつ適当な大きさの草として刈り取り、集草を容易にするための飛散防止機能を備えた草刈り機を開発しました。
具体的には、①テレコントロール操作、②低速チェーンソー使用、③刈り草堆積機能装備、④平面・法面の草刈り可能、⑤飼料用に供給できる適当な大きさの刈り草生産、⑥メンテナンス性・制御性良好、低コスト、の仕様を持つ機械の設計・製造・試運転により、実用性のある草刈り機が完成しました。
ユーザーは酪農家であるが、放射性物質が付着した草を刈る場合は、その場所での機械運転による被爆の危険性、刈った草の飛散による2次的放射能汚染の危険性をも回避できます。

期待される効果

実用化可能な新草刈り機が完成し、製造・販売という事業が動き出すことにより、被災地立地企業である(株)エヌケー製作所において新規事業による雇用創出が見込まれ、直接的な経済的価値が生み出されます。
また、原発から半径20km圏外(20km圏内に住んでいた住民の移転候補先)の地域のホットスポット除染が達成され、住民の安全、安心に貢献できるという社会的価値をも生み出します。
さらに、放射能汚染のされていない牧場等を持つ酪農家(福島県酪農業協同組合418個所)に販売し、家畜の餌用に適当な大きさの草を、頻度を上げてこまめに生産できます。

これまでの研究開発成果

・会津地域ものづくり企業展示会に出展(H25.10.2)
・公益社団法人日本設計工学会への投稿・掲載(H25.12.5)
・テレコントロール操作草刈り機の試作機完成(販売用パンフレット完成)
刈高さ30mm*刈幅1500mm、刈取り走行速度Max.4km/h、最大傾斜角度40°
定格出力:三相200V、4kVA、運転時間Max.5時間(燃料満タン使用時)

マッチングプランナーの声

担当マッチングプランナーは潟Gヌケー製作所からニーズを伺い、同社のご要望に基づきこれを解決できる研究シーズを持つ学として仙台高専熊谷教授を探し出し、マッチングを進めることで申請に至りました。当初の企業ニーズは放射能汚染された草刈りでしたが、市場ニーズに余り合わないことが判明し、ニーズを再検討、酪農家における家畜の餌用に適当な大きさの草を刈る機械として研究開発を開始しました。
(担当マッチングプランナー 郡山事務所 山口一良)

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