取り組み・成果

最終更新日:平成26年3月31日

農業・農産加工等

手軽な薬膳で健康生活

薬用植物の食品利用に向けた効率的生産技術の開発

天使のハーブ入りラスク<アンジェリカ>

天使のハーブ入りラスク<アンジェリカ>

天使のハーブ入り野菜パン<女子パン>

天使のハーブ入り野菜パン<女子パン>

南三陸産トウキ根が入った入浴剤<清癒湯>

南三陸産トウキ根が入った入浴剤<清癒湯>

企業

株式会社アミタ持続可能経済研究所(宮城県南三陸町)

研究機関

千葉大学環境健康フィールド科学センター

研究開発実施期間

平成24年10月〜平成26年3月

研究概要

健康への関心が高まる中、薬用植物が注目されており、身近な食品としての利用が期待されています。薬用植物のうちトウキは血液循環を良くする働きがあります。オタネニンジンは滋養強壮に効果があります。いずれもきわめて重要な生薬ですが、食品として美味しく食べるための栽培方法は確立されていません。そこで本事業ではこれら薬用植物を食品として製品化するための研究開発を行ないます。トウキは根を生薬として用いますが、茎や葉は使われていません。そこで、この部分を新たな食品とするため、茎葉を単年で効率的に生産するセル成型苗生産技術、および水耕栽培による若葉の周年生産技術を開発します。オタネニンジンは発芽がばらつき栽培が難しいのですが、催芽処理および発芽管理の技術と休眠制御技術を開発します。薬効成分含量が高い二年物を食品として製品化するため、これらの技術を応用して効率的な生産技術を開発します。

期待される効果

高齢化社会の到来とともに、健康やQOLへの関心が高まっており、安心・安全な健康食品に対する社会的ニーズが今後益々増大することが予想されます。特に、女性と高齢者は健康志向が強く、薬用植物を素材とした健康食品の大きな需要が期待されます。例えば、トウキは血行改善による冷え症の緩和などの効果が、またオタネニンジンは疲労回復など優れた滋養強壮の効果が期待されます。トウキとオタネニンジンは、漢方薬に特化した利用がほとんどで、普段の生活の中で気軽に食べることはあまりありません。トウキとオタネニンジンは、わが国で古くから栽培されてきた伝統的な植物資源で重要な生薬としての知名度が高く、差別的優位性を持ちうる健康食品としても潜在的市場が見込まれます。

これまでの研究開発成果

製パンおよび入浴剤へ導入され市販されています。(右写真参照)

参画企業の声

社内では千葉大学が有する薬草生産技術を活用して薬草事業に取組む計画がありましたが、必要な研究資金が壁となり事業開始に踏み切れないでいました。マッチング促進プログラムへの応募が事業をスタートさせるきっかけを作ってくれました。現在、少しずつではありますが成果が製品となって世に出るようになってきました。本事業を通して今後ますます被災地での雇用創出に貢献したいと思います。
((株)アミタ持続可能経済研究所 事業開発チーム 松本洋俊)

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