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取り組み・成果

最終更新日:平成26年3月31日

医学・医療等

患者にやさしい手術装置の開発

マイクロ波実質臓器凝固切断器の開発

図1.試作機全景

図1.試作機全景

図2.金属刷毛部

図2.金属刷毛部

企業

高周波熱錬株式会社いわき工場(福島県いわき市)

研究機関

滋賀医科大学

研究開発実施期間

平成25年1月〜平成27年3月

研究概要

本研究は、実質臓器に対する止血・凝固・切除を備えた新しい手術装置の開発です。
マイクロ波による止血効果と、刷毛または振動機構による臓器破砕能を兼ね備えた手術装置の開発・製品化を目指しています。下記の4点が開発目標です。
①止血・凝固しながら切除が可能なマイクロ波照射装置の開発
②刷毛型のデバイスを開発し、直視下手術に応用可能な装置
③デバイス先端部位が振動可能で、マイクロ波照射できる鏡視下手術用デバイスの開発
④更に、これらに洗浄吸引装置を付加した装置の開発

期待される効果

止血・凝固・切除全てを備えたデバイスの開発により、従来切除が困難であった硬変肝手術や臓器剥離が可能となり、術者の技量や対象となる臓器に関わらず、出血量と手術時間が最小限に抑えられます。鏡視下手術にも応用できれば、患者だけでなく広く医療者ニーズに応えられます。
さらに手術環境の改善は、術後合併症予防や入院期間短縮につながり、医療費削減という社会ニーズにも応えられます。
また、需要と想定される市場規模より、今回のマイクロ波機器の製造事業は、まず数十人規模の新しい雇用を見出すものと考えます。
尚、マイクロ波デバイス技術を別の機器開発製造や他事業に展開することによって、福島での新しい医療機器製造企業の誕生に寄与できる可能性があります。

マッチングプランナーの声

滋賀医科大がマイクロ波を応用した手術用メスの共同開発企業を探していると言うことを、医科大のコーディネータを通じて聞き、本課題に巡りあいました。大学の研究室を訪ね、手術の状況、開発目標などを聞くうちにこれは患者様のQOL向上にも貢献出来ると確信しました。いわき市に工場を有する高周波熱錬が医療用の機器分野へも進出したいということを知り、両者が結びついたものです。プロトタイプのメスでの動物実験では、狙い通りの効果が検証(患部切除と止血)されており、残り期間での開発完了を目指し進行中です。
(担当マッチングプランナー 郡山事務所 渡邉博佐)

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