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取り組み・成果

最終更新日:平成26年3月31日

製造

プラスチック成形における30%以上の省エネと材料の開発

省電力を目的とするプラスチック成形加工技術と新規材料開発

1) 施工前外観-1

1) 施工前外観-1

2) 施工前外観-2

2) 施工前外観-2

3) 施工前外観-2のカバー部取り外し

3) 施工前外観-2のカバー部取り外し

4)  カバー内部に断熱材設置

4) カバー内部に断熱材設置

5) アダプター、ジョイント施工前

5) アダプター、ジョイント施工前

6) アダプター、ジョイント部に断熱材設置

6) アダプター、ジョイント部に断熱材設置

企業

住化加工紙株式会社(福島県いわき市)

研究機関

山形大学理工学研究科

研究開発実施期間

平成24年10月〜平成27年3月

研究概要

一般的に高分子材料は熱伝導率が低く、溶融すると更に熱伝導率が低下するためスクリューによる撹拌が必要となります。また、外部からの過剰な加熱による劣化を防止するため機械的なせん断発熱を利用する試みもありますが、かえって電力負荷が増大します。また、局部的な発熱による材料の劣化や滞留による劣化の懸念も想定されます。
材料面では、高精度を要求される製品には分岐構造を有する材料が効果的とされますが、当社の分野では品質、コスト、加工温度の違い等から適用出来る材料は見当たりません。また、分子構造と省電力の効果も明確ではなく省電力達成には至っていません。さらに、直近の電力事情は明確な対応が見えないことや、環境保全に対応するためにも30%以上の省電力を目指して技術開発を進める必要があります。
そこで、当研究では熱損失防止のためにより効果的な断熱材の検討、局部的な高温化を防止するとともに過剰な発熱を防止するためスクリューデザインを検討しています。更に 高精度フィルム成型のための材料及びプロセスについてレオロジー特性を把握し、高精度フィルムの製造に必要なパラメーターとの相関について検討しています。

期待される効果

2010年度の日本全体のPE,PP使用量は約460万tでこれに要する加工電力は1.500億円以上と推定され、目標とする電力30%削減による削減効果は単純計算で約450億円以上に達すると推察されます。

これまでの研究開発成果

現段階では、断熱材の設置による効果確認が進んでいます。断熱材の取り付け方法によって大きな差があるものの、12%〜22%の削減効果が確認されています。

参画企業の声(マッチングプランナーの関わり)

 郡山での事業説明会の後の相談会でマッチングプランナーと面談し、状況を説明しました。その際、これは取り組む価値があると合意し、申請することにしました。その後、工場見学にも来て頂き、現場の実情を体感して貰い、開発を進めています。現在省電力20%の効果を達成し、最終目標30%に向かって各種・開発に取り組んでいます。
(プロジェクトリーダー 住化加工紙(株) 理事 西勝幸雄)

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