取り組み・成果

最終更新日:平成26年10月2日

情報通信等

ストップ・ザ『ノイズ』

電磁誘導方式による非接触給電装置の伝送放射ノイズ低減化技術の開発

肌診断機

肌診断機

新規コイルを使った電磁誘導方式

新規コイルを使った電磁誘導方式

低放射ノイズ伝送装置開発の概念図

低放射ノイズ伝送装置開発の概念図

8字型コイル

8字型コイル
(単体コイルでは磁束が打消し合い漏洩磁界は発生しない。送受電共に同一形状の差動コイルとすることで電力伝送が可能となる。)

放射ノイズ測定例

放射ノイズ測定例

企業

光電子株式会社(宮城県大崎市)

研究機関

東北大学医工学研究科

研究開発実施期間

平成24年10月〜平成27年3月

研究概要

大手化粧品会社向け肌診断装置用非接触電力伝送装置の開発です。肌診断装置は、肌に直接触れて計測するプローブと計測結果を表示する本体とから構成されています。画像診断によって、肌の色相やキメ、シミなどを測定し、超音波で、弾力性、水分量などを評価します。顔に検出部であるプローブを直接当てるという商品の性質上プローブはコードレスが望ましく、電池切れの回避から非接触電力伝送装置の要望が多く出ています。非接触電力伝送装置は、給電に際して給電側コイルから磁力線を発生させるため、漏れ磁束があると必然的に付設する電子回路のノイズの原因になります。非接触電力伝送は、伝送するエネルギー源がノイズ源となるトレードオフの関係にあります。ノイズを抑制しつつ必要な電力伝送を実現させる手法を確立しなければなりません。空間磁場を効率よく制御し、且つ、所望の電磁界を作り、任意の空間に収束させることを検討します。

期待される効果

被災地企業である光電子株式会社は、肌診断装置用非接触電力伝送装置の事業化を目指します。宮城県は、医療・健康機器市場を高度成長・高付加価値市場の一つと位置付けております。光電子株式会社は、ノイズ抑制を可能とする非接触電力伝送技術を活用し、今後、ノイズ問題がますます重要視される医療・健康機器市場へ本格的に参入する計画です。医療・健康機器のノイズ問題が解決出来れば、小型化、高機能化など、更なる機器の高度化が可能となります。ノイズ抑制を可能とする非接触電力伝送技術は、医療・健康機器の発展に大いに貢献することが期待されます。

これまでの研究開発成果

コイル形状として、『8字型コイル』、『ミアンダ型コイル』に関し、基本特性を確定し、磁界シミュレーション、試作コイルのノイズ測定をしました。放射ノイズ、伝導ノイズと電力伝送効率の挙動を解明をしました。各コイルの特長が明確に掴め、コイルの詳細な仕様設計、新規コイル製造設備の設計が出来るところまで来ました。

マッチングプランナーの声

研究開発から事業化までを2年半で行うことは、これまでの企業経験から、1つの企業内の組織であっても非常に厳しいとの認識があり、更に、企業自体、大学等の研究機関との共同研究は初めてであることから、全研究期間のマイルストーン管理表を作成し、原則、毎月の進捗会議を提案しました。マイルストーン管理表から、実施項目毎の各年度の目標値、四半期毎の目標値を明確にし、現状の進捗を「目でみる管理」としました。進捗会議は、先ず、マイルストーン管理表で進捗を確認することから始めています。その結果、産学が共通認識を持ち、連携を持って活動が出来るようになってきています。
(担当マッチングプランナー 仙台事務所 米倉淳)

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