ECL素子の構造
株式会社ニュートン(岩手県八幡平市)
岩手大学工学部
平成25年10月〜平成27年3月
従来のECL素子は、発光層が液体で扱いにくいため普及には到っていませんでした。本開発では固体化できる電気化学発光インクの技術シーズを用い、印刷・塗布方式にて安価で薄いエレクトロケミルミネッセンス(ECL)素子を実用化します。
プラスチックやガラス基材上に+電極(透明)、発光層、−電極という4層構造で、発光層と−電極は塗布で形成します。低電圧で発光が可能で、今後電力消費量の低減と発光輝度の安定化、長寿命化に向けた開発を行ないます。
本開発技術で作る製品は、有機ELや無機ELと同様に面で発光しますが、塗布加工のために製造コストが安価で、従来からある発光素子と競合しない「面状で拡散発光、安価」に位置づけされます。
ECL素子の位置づけ
発光しているECL素子
ECL素子を利用した製品イメージ
ECL素子は、薄くて安価、低電圧駆動で、暗所で淡く周囲を照らす照明に向いています。施設や住宅などの夜間の案内表示や災害や停電時の誘導灯として利用できます。そのほか本や手帳に挟んだり、財布やカードケースに収納できる、携帯できるフィルム照明、サインディスプレイなどの表示灯製品を目指しています。