SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)について

Sustainable Development Goals
目標1:貧困をなくそう
目標2:飢餓をゼロに
目標3:すべての人に健康と福祉を
目標4:質の高い教育をみんなに
目標5:ジェンダー平等を実現しよう
目標6:安全な水とトイレを世界中に
目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
目標8:働きがいも 経済成長も
目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
目標10:人や国の不平等をなくそう
目標11:住み続けられるまちづくりを
目標12:つくる責任 つかう責任
目標13:気候変動に具体的な対策を
目標14:海の豊かさを守ろう
目標15:陸の豊かさも守ろう
目標16:平和と公正をすべての人に
目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

RISTEXのSDGsに関する取り組みについてはこちらをご覧下さい。

RISTEXでは、SDGsの達成に向けて、複合的で幅広いテーマの地域課題に対して既存技術シーズを活用した即効性のあるソリューション創出やソリューションの他地域展開を目指す研究開発プログラムとして、2019年度より「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(SOLVE for SDGs)」を実施しています。
社会的孤立・孤独はSDGsの重要な観点の一つであることから、SOLVE for SDGsの下で特別枠(社会的孤立枠)として、「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」を2021年度に設定しました。

SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(シナリオ創出フェーズ・ソリューション創出フェーズ)

SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)

SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(情報社会における社会的側面からのトラスト形成)

プログラム総括

浦 光博

追手門学院大学 教授/広島大学 名誉教授

国連の定める2030アジェンダ(われわれの世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ)には、「誰一人置き去りにしない (No one will be left behind)」という基本理念の下、17の持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)と169のターゲットが掲げられていますが、社会的孤立・孤独はSDGsの重要な観点の一つであることから、2021年度より「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」(社会的孤立枠)が開始しました。「社会的孤立枠」では、社会的孤立・孤独の要因やメカニズム理解、新しい社会像の描出といった人文・社会科学などの知見を使った学術的な研究から、社会的孤立・孤独リスクの可視化・評価手法(指標等)、社会的孤立・孤独の予防施策の開発とそのPoC(Proof of Concept:概念実証)までを、国内の特定地域や、学校、職場、コミュニティなどの施策現場と協働して一体的に実施します。

プログラムの目標

本プログラムにおいては、人口減少・少子高齢化、経済変動、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の新興感染症による影響など、様々な社会構造の変化を踏まえ、社会的孤立・孤独のメカニズムを明らかにすると共に、社会的孤立・孤独を生まない社会像を描出し、人や集団が社会的孤立・孤独に陥るリスクの可視化や評価手法(指標等)、社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組みの研究開発を推進します。その際、開発した評価手法(指標等)に基づいた、社会的孤立・孤独の予防施策の効果検証を含め、PoC(Proof of Concept:概念実証)までを一体的に行います。本プログラムの実施を通して、人・組織・コミュニティ間の多様な社会的つながり・ネットワークを実現し、社会的孤立・孤独を生まない社会の創出を目指します。

概要図

Case A : 社会的孤立・孤独とは無縁だったが、COVID-19をきっかけに社会的孤立・孤独リスク増加
Case B : 災害/ライフイベントをきっかけに社会的孤立・孤独リスクが徐々に増加し、COVID-19より更に悪化
Case C : 所与の環境・障害により、例えば幼少期から社会的孤立・孤独リスク高
「厚生労働省、社会的排除にいたるプロセス~若年ケース・スタディから見る排除の過程~概要(内閣官房/内閣府提出資料)、第8回社会保障審議会生活困窮者の生活支援の在り方に関する特別部会資料(平成24年9月28日)」を参考に、RISTEXにて作成

マネジメント・チーム

プログラム総括

  • 浦 光博
    (追手門学院大学 教授/広島大学 名誉教授)

プログラムアドバイザー

  • 有末 賢
    (慶應義塾大学 名誉教授)
  • 石井 光太
    (作家)
  • 稲葉 陽二
    (元 日本大学法学部 教授)
  • 宇佐川 邦子
    (株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター センター長)
  • 岸 恵美子
    (東邦大学大学院 看護学研究科 研究科長、教授)
  • 工藤 啓
    (認定NPO法人育て上げネット 理事長)
  • 佐藤 嘉倫
    (京都先端科学大学 人文学部 学部長、教授)
  • 平田 オリザ
    (芸術文化観光専門職大学 学長)
  • 藤原 佳典
    (東京都健康長寿医療センター研究所 副所長)
  • 遊間 和子
    (株式会社国際社会経済研究所 調査研究部 主幹研究員)

(五十音順)

歴代アドバイザー

  • 岩田 正美 2021年4月~2023年3月
    (日本女子大学 名誉教授)
  • 藤森 克彦 2021年7月~2023年3月
    (日本福祉大学 福祉経営学部 教授/みずほリサーチ&テクノロジーズ 主席研究員)

(所属、役職は退任時点)

「プログラム総括について」

浦光博氏は、社会心理学、ソーシャル・サポート、社会的排除研究の第一人者として、長年に渡り研究・教育・人材育成に尽力しています。日本社会心理学会、日本グループ・ダイナミックス学会の会長職を務め、行動科学、社会神経科学など多分野に渡る活動を活性化させることで、学術の発展や後進の育成に貢献してきました。その一方で、広島県地域家庭教育推進協議会の会長職や、広島県教育委員会家庭学習プログラム検討委員会の委員長を務め、また広島県警察本部との共同研究を通じて地域防犯体制の強化に努めるなど、研究側と施策現場側との連携により、地域社会へ貢献しました。
「SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築)」の運営にあたっては、社会的孤立に係る幅広い知見を有するのみならず、研究者のほか、社会的孤立の特徴を熟知した施策開発/運用の経験者であるNPO・行政・企業・地域住民など、多様な関与者との連携・協働を促すバランスの取れた視点が重要です。特に、本格的な研究開発に至る前の、研究側と施策現場側が一体となったプロジェクト体制を構築するための支援まで含めたマネジメントが必要です。
社会心理学・行動科学・社会神経科学といった多面的視点に基づく知見と共に、分野横断的な取り組みや、多様な関与者との連携による、社会実装に向けたプロジェクト管理の経験を有している浦氏は、本プログラム運営にあたってその知見と経験を発揮していただけるものと考えます。

プログラムの評価

中間評価

活動報告書 評価報告書
(掲載予定) (掲載予定)

事後評価

活動報告書 評価報告書
(掲載予定) (掲載予定)

研究開発プロジェクト

2024年度採択

行政・NPOの孤立・孤独対策現場知を支援する総合知に基づく学術体制構築
岡 檀
(情報・システム研究機構 統計数理研究所 医療健康データ科学研究センター 特任准教授)
  • 研究開発実施報告書
    • (掲載予定)
ケアの葛藤によりそい、ケアラーの社会的孤立・孤独を予防する包括的支援システムの構築
斎藤 真緒
(立命館大学 産業社会学部 教授)
  • 研究開発実施報告書
    • (掲載予定)
若者と共に創る孤独予防戦略:コプロダクションによる若者の孤独の理解と予防法の創出
山﨑 修道
(公益財団法人東京都医学総合研究所 社会健康医学研究センター 副参事研究員)
  • 研究開発実施報告書
    • (掲載予定)

2023年度採択

孤立・孤独予防に資する近隣社会環境の多様性の可視化による戦略的プレイスメイキング
内平 隆之
(兵庫県立大学 環境人間学部 教授)
AYA世代がん患者の孤立・孤独を先制的に一次予防するフィジカル空間とサイバー空間を融合させたネットワーク介入の開発
藤森 麻衣子
(国立がん研究センター がん対策研究所 サバイバーシップ研究部 室長)
サービス・モビリティと多形態コミュニティの繋がりによる社会的孤立・孤独予防モデル
米澤 拓郎
(名古屋大学 大学院工学研究科 准教授)

2022年度採択

シチズンサポートプロジェクトによる社会的孤立・孤独の一次予防
伊藤 文人
(東北大学 大学院教育学研究科 講師)
オールマイノリティプロジェクト:発達障害者を始めとするマイノリティが社会的孤立・孤独に陥らない認知行動療法を用いた社会ネットワークづくり
大島 郁葉
(千葉大学 子どものこころの発達教育研究センター 教授)
都市集合住宅高齢者の社会的孤立を予防する持続可能なコミュニティ構築
片桐 恵子
(神戸大学 ウェルビーイング先端研究センター 教授)
いきいき・つながり職場づくり:孤立・孤独を予防する包摂組織の社会実装
川上 憲人
(東京大学 大学院医学系研究科 特任教授)
生きがいボランティアシステムの構築による社会的孤立・孤独の持続的な予防
島田 裕之
(国立長寿医療研究センター 研究所 老年学・社会科学研究センター センター長)
社会的養護経験者(ケアリーバー)の社会的孤立を防ぎ、支援と繋がりながら自立を支える仕組みを創る
宮地 菜穂子
(同朋大学 社会福祉学部 准教授)

2021年度採択

孤独・孤立のない社会の実現に向けたSNS相談の活用
上田 路子
(理化学研究所 脳神経科学研究センター 客員研究員)
地域とつくる「どこでもドア」型ハイブリッド・ケアネットワーク
近藤 尚己
(京都大学 大学院医学研究科 教授)
社会的孤立の生成プロセス解明と介入法開発:健康な「個立」を目指して
太刀川 弘和
(筑波大学 医学医療系 教授)
職場における孤独・孤立化過程の分析―総合的予防プログラムの開発に向けて―
松井 豊
(筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター 研究員)
演劇的手法を用いた共感性あるコミュニティの醸成による孤立・孤独防止事業
虫明 元
(東北大学 大学院医学系研究科 学術研究員)
新生活に伴う孤独リスクの可視化と一次予防
柳澤 邦昭
(神戸大学 大学院人文学研究科 准教授)
すべての子どもの社会的孤立・孤独・排除を予防する学校を中心としたシステムの開発
山野 則子
(大阪公立大学 大学院現代システム科学研究科 教授)

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