「共通基盤」領域 本格研究

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探索加速型 本格研究

未来医療を創出する4次元トポロジカルデータ解析数理共通基盤の開発

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研究開発代表者

坂上 貴之exlink

重点公募テーマ 「革新的な知や製品を創出する共通基盤システム・装置の実現」
研究開発期間 2022年4月~(探索研究 2018年11月~2022年3月)
グラント番号 JPMJMI22G1
研究概要 研究概要PDF(PDF:1.2MB)

 高齢化が進む世界の国々では、高い医療の質を確保しながら高騰する医療コストを大幅に低減することが求められています。そのためには、様々なデータを活用した効率的な診断や創薬が求められますが、現状の検査データや臨床データから得られる情報の活用には限界があります。例えば循環器医療では心血流に現れる渦の「かたち」を見ることが診断の精度や効率の向上につながると期待されますが、現状の心エコーやMRI装置の心血流画像データからそのような情報を取得することは困難です。また、感染症創薬における臨床試験では、ウイルス量など病態進行に伴うバイオマーカーの時間変化を適確に予測できれば、臨床試験の期間の圧縮とコストの削減が期待できますが、データ量や解析法の限界によりまだ実現していません。

 本研究開発課題では、探索研究において実施した、①心血流エコー画像やMRI画像から血流渦パターンの「かたち」を言語化する解析手法(トポロジカルデータ解析)の開発と臨床診断への応用および、②薬剤開発の時間変化の予測手法(数理モデリング)の開発と抗ウイルス薬の臨床治験デザインへの応用を実証した2つの成果を元に、数理科学の両手法を融合した新たな手法を開発します。

 具体的には、データに隠された把握したい現象の「かたち」を数理的な言語で厳密に抽出・表現し、その時間変化の解析と組み合わせた"4次元トポロジカルデータ解析"という、世界初の汎用的な数理共通基盤技術を確立します。これにより、心血流に現れる渦の「かたち」に基づく心機能評価により、心疾患ステージの分類が可能となります。さらに、この技術を心エコーやMRI装置へ組込むことにより、心臓病態の把握と予後予測を実現、適切な検査と治療介入につながることで、心臓関連死の約3分の1、世界の循環器医療費の約2割もの低減が期待されます。同手法の確立を礎に、呼吸器疾患など他の疾患への展開も図ります。

 また、COVID-19等を対象とした感染症創薬の臨床試験に対して、バイオマーカーによる時間変化の予測手法を開発し、臨床試験デザインにも適用することで、従来3~4年を要する感染症創薬の臨床試験までの期間を、数ヶ月程度にまで大幅に短縮することを目指します。これにより、一つの薬剤の開発に1,000億円以上必要とも言われる薬剤開発コストの削減が期待されます。

 本数理技術は、医療・医薬分野の課題を解決するだけでなく、環境分野や生命科学、基礎医学など広い範囲の課題にも適用が可能です。本技術を、将来的にこれらの分野にも展開することで、数理科学に基づく共通基盤として研究開発現場等における様々な課題の解決に貢献します。

画像

図 本研究が目指す未来医療像

研究開発実施体制

〈代表者グループ〉
 京都大学

〈共同研究グループ〉
 名古屋大学、株式会社Cardio Flow Design、国立感染症研究所

プロジェクトHP

2022年夏頃公開予定

トピックス


※統合前の探索研究課題
「多階層数理モデルに基づく経時的ゲノム進化動態の定量的解析基盤の構築」(岩見 真吾)・「包括的トポロジカルデータ解析共通数理基盤の実現」(坂上 貴之)


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