「持続可能な社会の実現」領域 探索研究

本ページの目次

モノの寿命の解明と延伸による使い続けられるものづくり

 強度が要求される構造部材・強度部材等は、省資源・省エネルギー化の国際競争の激化など社会的・経済的要請も後押しして重点的に研究開発が行われてきました。中でも、複数の素材の異なる性質を利用し高強度・軽量性といった特徴を併せ持つ複合材に注目が集まり、開発・利用が進められつつあります。しかしながら、異素材間の界面や現象の相関の複雑性により、疲労や劣化、破損・破壊に関する基礎過程、複合現象に対する科学的理解が進んでいないことから、複合材本来の高強度・軽量などの特性を最大限有効に活かすことができていません。
 本重点公募テーマでは、複合材を対象に、複合的な現象である疲労・劣化の原理や破損・破壊につながる機構を解明して、製品に残された寿命(余寿命)を高精度に推定する技術を確立することにより、継続使用・再使用の促進、限界設計による必要最小限の資源利用、より長寿命かつ高機能な素材設計等の達成を目指します。これらの研究開発を通して、「資源利用効率の向上と持続可能な消費生産形態の促進」に貢献するとともに、変わりゆく社会や人々のニーズに応じながら環境的・経済的に持続可能な社会の実現に貢献します。

研究開発運営会議委員

「モノの寿命の解明と延伸による使い続けられるものづくり」専門委員

伊藤 義康 一般財団法人 航空宇宙技術振興財団 評議員
香川 豊 東京工科大学 学長・片柳研究所所長・教授
長谷川 史彦 製品評価技術基盤機構 理事長/東北大学未来科学技術共同研究センター(NICHe) 特別顧問・教授
北條 正樹 近畿職業能力開発大学校 校長/京都大学 名誉教授

採択課題一覧

■本格研究へ移行した課題

CFRPの疲労劣化の機構解明と余寿命推定法の確立(荒井課題)

■探索研究

令和元年度採択概要期間
CFRPの長期信頼性向上を目的とした材料設計・評価システムの開発
荒井 政大(名古屋大学 大学院工学研究科 教授)
CFRPの長期信頼性向上を目的とした材料設計・評価システムの開発
(PDF:703KB)
2019.11
~2022.03
先進的複合材料の因子分類による疲労負荷時の複合劣化機構の解明と寿命予測
後藤 健(宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 准教授)
先進的複合材料の因子分類による疲労負荷時の複合劣化機構の解明と寿命予測
(PDF:595KB)
2019.12
~2022.03
エントロピー損傷に基づく熱可塑CFRPの寿命定量化
小柳 潤(東京理科大学 先進工学部 教授)
エントロピー損傷に基づく熱可塑CFRPの寿命定量化
(PDF:550KB)
2019.11
~2022.03
5Dデジタルツイン技術による複合材料の長期持続使用
横関 智弘(東京大学 大学院工学系研究科 准教授)
5Dデジタルツイン技術による複合材料の長期持続使用
(PDF:610KB)
2019.11
~2022.03
令和2年度採択概要期間
疲労・劣化の根源となる欠陥/き裂の非破壊観察技術の実現
木村 正雄(高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 教授 )
疲労・劣化の根源となる欠陥/き裂の非破壊観察技術の実現※
(PDF:445KB)
2020.11
~2022.03
放射光X線回折・散乱測定によるマルチスケール構造解析に基づく複合材の疲労挙動評価
小椎尾 謙(九州大学 先導物質化学研究所 准教授)
放射光X線回折・散乱測定によるマルチスケール構造解析に基づく複合材の疲労挙動評価※
(PDF:484KB)
2020.11
~2022.03
熱伝搬挙動の高感度計測に基づくミクロ劣化評価
長野 方星(名古屋大学 大学院工学研究科 教授)
熱伝搬挙動の高感度計測に基づくミクロ劣化評価※
(PDF:485KB)
2020.11
~2022.03
CFRP複合材劣化のオペランドミクロ計測分析法と余寿命推定モデル
丸本 一弘(筑波大学 数理物質系 准教授)
CFRP複合材劣化のオペランドミクロ計測分析法と余寿命推定モデル※
(PDF:540KB)
2020.11
~2022.03

※探索研究(要素技術タイプ)課題

本ページの目次