社会の持続的発展を実現する新品種導出技術の確立
世界では工業材料や食料の需要が、現在よりも大幅に増加することが想定されます。一方、増加する需要に対応するためには、環境負荷を大幅に低減する仕組みや技術の導入が必要です。その解決策として、生物が進化の過程で獲得した機能の活用が注目されています。すなわち、生物そのもの、あるいはその物質生産機能を最大限に利用して、工業材料や食料の高効率かつ低負荷な生産を実現することが期待されています。そのためには、各生物種を対象とした品種改良や育種、遺伝子・ゲノムの改変等が求められますが、現在の技術では生物が持つ機能的ポテンシャルを十分に活用できる新品種の導出には至っていません。また、新品種導出に時間やコストを要することが課題となっており、効率化が求められています。さらに、新品種導出が困難な生物種も数多くあり、遺伝資源として利用されていません。
本重点公募テーマにおいては、主に微生物・植物・昆虫等における新品種導出において革新的技術を確立することにより、機能性の高い工業材料や食料を高効率・低負荷で供給する新品種を世界に先駆けて導出することを目指します。これによって、豊かな生活を送りつつ低環境負荷な社会の実現に向けて貢献いたします。
研究開発運営会議委員
「社会の持続的発展を実現する新品種導出技術の確立」専門委員
江面 浩 | 筑波大学 生命環境系 教授 |
酒井 隆子 | ヴィルモランみかど株式会社 元副社長 |
中村 崇裕 | 九州大学 大学院農学研究院 教授 |
村中 俊哉 | 大阪大学 大学院工学研究科 教授 |
採択課題一覧
■本格研究へ移行した課題
持続的な食糧生産を可能にする野生植物の新奇食糧資源化(佐藤課題)■探索研究
令和2年度採択 | 概要 | 期間 |
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分子ナノカーボン育種による必須脂肪酸増産 伊丹 健一郎(名古屋大学 トランスフォーマティブ生命分子研究所/大学院理学研究科 教授) |
(PDF:484KB) |
2020.11 ~2022.03 |
作物と微生物叢を同時改良するホロゲノム選抜法の開発 岩田 洋佳(東京大学 大学院農学生命科学研究科 准教授) |
(PDF:439KB) |
2020.11 ~2023.03 |
野生遺伝資源を活用したイネ科新奇食糧資源の開拓 佐藤 豊(情報・システム研究機構 国立遺伝学研究所 ゲノム・進化研究系 教授) |
(PDF:470KB) |
2020.11 ~2023.03 |
分子で実現する迅速育種技術 萩原 伸也(理化学研究所 環境資源科学研究センター チームリーダー) |
(PDF:445KB) |
2020.11 ~2023.03 |
令和3年度採択 | 概要 | 期間 |
データトランスフォーメーション育種技術開発による育種効率の最大化 有泉 亨 |
(PDF:675KB) |
2021.10 ~2023.03 |
三大穀物間Cybrid植物を核とする異種ゲノム育種 岡本 龍史 |
(PDF:788KB) |
2021.10 ~2023.03 |
作物育種における機能獲得型ゲノム編集へのパラダイムシフト 佐々木 健太郎 |
(PDF:819KB) |
2021.10 ~2023.03 |
*所属・肩書は終了時点のもの
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