電気自動車への走行中直接給電が拓く未来社会
重点公募テーマ | 「ゲームチェンジングテクノロジー」による低炭素社会の実現 |
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研究開発期間 | 2021年6月~(探索研究 2017年11月~2021年5月) |
グラント番号 | JPMJMI21E2 |
研究概要 | 研究概要(PDF:624KB) |
日本の二酸化炭素排出量(12億2,700万トン)のうち、自動車は日本全体の15.0パーセントを占めています。この問題解決のために世界中の自動車メーカーは電気自動車(EV)の開発を進めていますが、現在のEVはガソリン自動車に比べて短い航続距離により利便性が悪く、その普及が妨げられています。これに対してほとんどの自動車メーカーは、より大容量のバッテリーを搭載することで競争をしていますが、バッテリーを多く積めば積むほど車体は重くなり、走行に必要なエネルギー量は増え、バッテリーの製造・廃棄にかかるエネルギーも増えます。
本研究開発課題ではこの問題解決のために道路の一部から走行中のEVに無線で給電し、小さいバッテリーを積んでいるEVでもその航続距離を無限大にする走行中給電という技術を開発しています。その究極の形として、車輪側に駆動用モーターと受電コイルを搭載し、その車輪に路面から直接電力を供給する、ワイヤレスインホイールモーターを試作してきました。そしてこれまでの成果として18キロワットの電力を95パーセントの効率で電力伝送することに成功しました。
この技術開発によりEVの航続距離の問題解決だけではなく、走行にかかる二酸化炭素量をガソリン自動車と比較して70パーセント削減でき、既存のEVよりも15パーセント削減できます。
今後は本研究開発課題で開発した技術の社会実装を実現するために、走行中給電のさらなる給電能力の向上と実証実験を行います。そして走行中給電によって便利で、持続可能なEV社会を実現します。
図1 本研究が実現する未来社会
図2 探索研究で開発したワイヤレスインホイールモーターと試験車両
研究開発実施体制
東洋電機製造、日本精工、ブリヂストン、ローム、DENSO、小野測器、三井不動産
プロジェクトHP
http://hflab.k.u-tokyo.ac.jp/トピックス
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