「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域 本格研究

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SnからなるPbフリーペロブスカイト太陽電池の開発

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 ペロブスカイト太陽電池は、材料の溶液の塗布により低温プロセスで作製できる軽量・柔軟な形状をもつ太陽電池です。本太陽電池は、屋外だけでなく、屋内の低照度条件でも高い発電効率が得られるという特長をもち、様々なデバイス・場所に広く用いられる未来の新たな再生可能電源技術として期待されています。一方で、現在用いられているペロブスカイト太陽電池には、半導体層に鉛(Pb)が多く含まれており、RoHS指令(電気製品に使用する鉛の規制)によって規制されているため、鉛の含有は産業化において大きな懸念となっています。ペロブスカイト太陽電池を広く社会実装するためには、鉛フリー化材料を用いたペロブスカイト太陽電池の高性能化が強く求められています。鉛フリー化材料を用いたペロブスカイト太陽電池の開発研究は世界中で活発に行われ、Sn(錫)系材料を中心に高性能化が進んだものの、光電変換効率(太陽光を電気に変換する効率)は従来のPb系材料に比べると依然低いのが現状です。本研究では、ペロブスカイト太陽電池を広く社会実装を実現するために、鉛フリーで環境負荷の少ない材料を用いたペロブスカイト太陽電池の高性能化の実現に挑みます。

 Sn系ペロブスカイト太陽電池では、原料に用いるSnイオンが酸化されやすいため、不純物や格子欠陥に由来して、本来の優れた半導体特性が得られていないことがわかってきました。そこで探索研究期間では、独自の高品質な材料とその成膜技術の開発や表面修飾技術の開発などにより、Sn系ペロブスカイト半導体とその太陽電池の高性能化に取り組み、世界を先導する成果をあげてきました。当初は数パーセント程度であった鉛フリー型太陽電池の光電変換効率は、15パーセント近くまで向上してきました。さらに、SnとPbの混合材料を用いた太陽電池では、従来のPb系材料も凌駕して23パーセントを超える世界最高効率も達成しています。本格研究では、用いる材料の元素の組み合わせを中心に、さらに独自の材料開発を進め、これまでに培ったノウハウをもとに高品質なペロブスカイト半導体薄膜の成膜技術とデバイス開発を究めます。これにより、Sn系ペロブスカイト太陽電池の超高性能化と高耐久化の実現を目指します。

 本研究で、未来の新たな電源技術として、環境負荷の少ない高性能なペロブスカイト太陽電池の開発を実現することで、これらを様々なIoTセンサーデバイスやこれまで設置が困難であった場所にも広く普及することができます。得られる成果はベンチャーおよび国内企業へと技術移転し、本太陽電池の社会実装を推進します。これにより、将来のエネルギーの不安を解消し、「カーボンニュートラル社会」の実現にも大きく寄与するものと期待できます。

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図 本研究が目指すペロブスカイト太陽電池の社会実装

研究開発実施体制

〈代表者グループ〉
 京都大学 化学研究所

〈共同研究グループ〉
 電気通信大学、京都大学(大学院工学研究科)、大阪大学、
 筑波大学、九州大学、千葉大学

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