「地球規模課題である低炭素社会の実現」領域 本格研究

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酸性水を用いた微細藻類の培養および利用形態の革新

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 微細藻類は、陸上植物に比べて高い光合成能(CO2固定能)を有し、農耕地として利用できないような土地でも培養できる場合もあり、高濃度のタンパク質およびビタミン類を含有することなどから、新たなグリーン産業の素材として注目され、その産業利用が進められています。

 微細藻類を比較的安価に生産するための屋外開放培養において、他の微生物(特に藻類捕食者)の混入増殖が頻繁に発生し生産が不安定であること、培養に利用される淡水が世界規模では不足しており培養設備の立地制限が生じること、培養密度が低く藻体の回収コストが比較的高くなることなどの問題により、微細藻類の生産コストは高く (1,200以上/kg乾燥藻体)、その利用は高価なサプリメントや化粧品原料等に限定されています(2万t/年・世界)。また、育種やゲノム編集などの品種改良法が微細藻類産業では確立していないため、新規利用形態の開拓が困難となっています。

 本研究開発課題では、国内各地の硫酸酸性温泉より微細藻イデユコゴメ(出湯小米)類の培養株を樹立し、これらの中から、すでに産業利用されている微細藻類よりも高タンパク・高ビタミンの株を発見しました。品種改良により、細胞壁が無く内容物抽出および動物による消化が容易であり、酸性化した淡水でも海水でも培養できる株を作出しました。また、培養の超高密度化(既存産業の25倍)に成功し、酸性条件のため、他の微生物の混入増殖無く屋外開放培養できることを実証しました。さらに、イデユコゴメにおけるゲノム編集技術を開発しました。

 本格研究では上記の成果を発展させ、微細藻類の製造コストの大幅削減(POC1)、微細藻類を主原料とする水産養殖用飼料の開発(POC2)微細藻類の細胞工場化による新規利用形態(家畜および人類の健康促進のための素材、家畜用の食べるワクチン)の創出(POC3)を行います。これらの開発により、微細藻類の利用規模を拡大し、その有効活用によるCO2削減、安定した食糧生産、人や動物の健康増進を目指します。

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図 本研究が目指す微細藻類の有効活用による未来社会

研究開発実施体制

〈代表者グループ〉
 国立遺伝学研究所

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