技術テーマ「エネルギー損失の革新的な低減化につながる高温超電導線材接合技術」
超伝導技術は高磁場が必要なNMR、MRIや、超電導リニアのマグネットなどに利用されているが、社会に導入されている低温超電導材は、冷却コストの高い液体ヘリウムを使う必要があり、超伝導技術普及のボトルネックになっている。超伝導技術を本格的に社会実装していくためには、冷却コストが低い液体窒素を利用でき、さらに低温超電導材より高い磁場が形成できる高温超電導材の導入が効果的である。しかしながら現状高温超電導線材は数百メートル単位でしか作製できないため、実用化には線材同士を超伝導または極低抵抗で接合する技術を確立する必要がある。接合技術を確立できれば、超伝導技術に期待される高効率な高磁場コイルや長距離直流送電の実現に大きく近づく。
高温超電導線材接合技術の超高磁場NMRと鉄道き電線への社会実装
小野 通隆
国立研究開発法人科学技術振興機構プログラムマネージャー/理化学研究所生命機能科学研究センター高度研究支援専門職
研究開発期間 | 2017年11月~ |
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グラント番号 | JPMJMI17A2 |
研究概要 | 研究概要(PDF:787KB) |
目的:
高温超電導(HTS)線材の接合技術を確立し、超高磁場NMRと鉄道用超電導き電ケーブルに実装して、システムの飛躍的な高性能化を実現する。これにより超電導技術の本格的な社会実装を加速させる。
研究概要:
超電導技術を本格的に社会実装するには、冷却コストが安く、高い磁場を形成できるHTS線材の利用が不可欠であるが、現状のHTS線材は数百メートル単位でしか製造できないため、線材同士を超電導または極低抵抗で接合する技術を確立する必要がある。
本課題では、①HTS線材同士の超電導接合技術(10-13 Ω)を確立し、永久電流モードで運転する液体ヘリウム冷却の世界最高磁場NMRマグネット(1.3 GHz、30.5 T)に実装して、NMRスペクトルによりその実用性を検証するとともに、②液体窒素冷却の直流電力ケーブル同士の極低抵抗接合技術(10-7~10-8 Ω)を確立し、鉄道用超電導き電ケーブルに実装してその有効性を実証する。接合技術の展開により、超電導技術の本格的な社会実装を加速させ、将来の社会・産業に大きなインパクトをもたらす。
研究開発実施体制
理化学研究所、青山学院大学、物質・材料研究機構、ティーイーピー(株)、住友電工(株)、
ファインセラミックスセンター、九州大学、ジャパン スーパーコンダクタ テクノロジー(株)、岡山大学、
東京科学大学、(株)JEOL RESONANCE、鉄道総合技術研究所、九州工業大学、東北大学、室蘭工業大学
プロジェクトHP
https://www.jst-mirai-sc.riken.jp
トピックス
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