技術テーマ「粒子加速器の革新的な小型化及び高エネルギー化につながるレーザープラズマ加速技術」
粒子加速器は、物理学、化学、生物学、工学、農学、医学、薬学、考古学など幅広い分野の研究に応用され、物質や生命の謎の解明研究や、社会の身近な産業分野で活用されている。近年、粒子加速に必要な長さを革新的に小型化できる、高強度レーザーを利用したレーザープラズマ粒子加速技術が進展しており、本技術による粒子加速器の小型化により、加速器をより身近に活用できる機会を大幅に拡大することが期待される。
■採択課題
平成29年度採択 | 概要 | 期間 |
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レーザー駆動による量子ビーム加速器の開発と実証 熊谷 教孝(科学技術振興機構 プログラムマネージャー/公益財団法人高輝度光科学研究センター 名誉フェロー) |
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2017.11~ |
研究開発運営会議委員
「粒子加速器の革新的な小型化及び高エネルギー化につながるレーザープラズマ加速技術」
太田 俊明 | 東京大学 名誉教授 |
加藤 義章 | 大阪大学 名誉教授 |
濱 広幸 | 東北大学 電子光理学研究センター センター長・教授 |
山田 聰 | ビードットメディカル株式会社 監査役 |
レーザー駆動による量子ビーム加速器の開発と実証

研究開発代表者: 熊谷 教孝(科学技術振興機構 プログラムマネージャー/公益財団法人高輝度光科学研究センター 名誉フェロー)
研究開発期間: 2017年11月~
グラント番号: JPMJMI17A1
目的:
レーザープラズマ加速技術によって粒子加速器の大幅な小型化を達成し、新材料や新薬の開発、粒子線がん治療など、工学、化学、医学や関連技術の社会実装に広く貢献する。
研究概要:
粒子加速器は学術、産業、医療等幅広い分野で利用されている。しかし、装置の巨大さと高額な建設費が、その利用普及を妨げる大きな一因なっている。本課題では、従来の加速技術と比べて加速勾配が数桁高いレーザープラズマ加速技術の開発・実用化により、
粒子加速器の大幅な小型化と低価格化を達成することで、科学技術創造立国としの基盤技術として、以下の分野への社会実装を目的とする。
➢ 小型電子加速器の実用化で放射光およびFEL利用の利便性を高め、基礎科学から応用までの幅広い研究および新材料や新薬の開発等産業利用で、強力な基盤装置として、学術・産業の発展に貢献。
➢ 小型イオン加速器の実用化によって、粒子線がん治療器等医療用加速器の導入・運用コストを低減し、既存病院への導入を可能とすることで、高QoLで安価ながん治療等で健康寿命の延伸と医療費の
抑制に大きく貢献。
➢ 粒子加速用高安定・高出力小型レーザーの実用化により、新しい国産レーザーのレーザー世界市場への参入を可能し、さらに新たな応用市場へのレーザー製品の投入など、日本の産業の拡大発展に貢献。

研究開発実施体制
〈代表者グループ〉
公益財団法人高輝度光科学研究センター
〈共同研究グループ〉
量子科学技術研究開発機構、理化学研究所
自然科学研究機構 分子科学研究所、大阪大学、
高輝度光科学研究センター、電気通信大学、高エネルギー加速器研究機構