「顕在化する社会課題の解決」領域 
本格研究シンポジウム
 「洪水を災害にさせない社会の実現に向けて」報告

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開催概要


日時
2024年10月25日(金) 10:00~13:00

会場
東京大学 柏キャンパス 生産技術研究所
研究実験棟3階 大会議室

主催

本格研究 芳村課題
衛星観測とモデルシミュレーションとの融合による
長時間洪水予測の実装:
洪水を災害にさせない社会の実現に向けて
     

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報告

2024年度より開始した「顕在化する社会課題の解決」領域 本格研究「衛星観測とモデルシミュレーションとの融合による長時間洪水予測の実装:洪水を災害にさせない社会の実現に向けて(芳村課題)」(研究開発代表者:芳村圭教授(東京大学))のキックオフシンポジウムが2024年10月25日、東京大学柏キャンパス内にて開催されました(本シンポジウムは、東京大学柏キャンパス一般公開のイベントの一つとして開催)。

シンポジウムでは、開会挨拶として高橋桂子 運営統括によるJST未来社会創造事業「顕在化する社会課題の解決」領域の紹介とグローバルリスクに関する講演の後、研究開発代表者 芳村圭教授より本プロジェクトの概要が紹介されました。続いて、「洪水予測技術の革新」(研究開発項目1)と題し、東京大学 芳村圭教授、宇宙航空研究開発機構 山本晃輔研究開発員、九州大学 廣瀬慧教授より、衛星観測とモデルシミュレーションを融合した超早期(目標3日前)・高解像度の洪水予測技術について講演がありました。次に、「洪水時の適時適切な情報伝達」(項目2)と題し、京都大学 廣井慧准教授よりデジタルツインを活用した洪水予測情報の伝達と防災対応の検証モデルについて、また「洪水に対する社会対応力の強化」(項目3)と題し、名古屋大学 中村晋一郎准教授、名古屋工業大学 中居楓子助教、大日本ダイヤコンサルタント株式会社 森田紘圭氏、大阪大学 標葉隆馬准教授より、社会科学も活用した超早期予測情報の防災対策への活用に関する検討内容について講演がありました。その後、パネルディスカッションを行い、第一部では項目1、2の講演者に横浜国立大学 満行泰河准教授、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 多嘉良朝恭氏、災害モンスター研究所 石橋健次氏を加え、将来の気象制御技術や予測技術の身近な活用の可能性等に関し、第二部では項目3の講演者に同志社大学 重本達哉准教授を加えて、自治体における社会対応力強化や法的な課題等に関し議論を行いました。最後に、東京大学生産技術研究所 年吉洋所長の閉会挨拶をもって終了となりました。全体として活発な質問と議論がなされました。

今後、芳村課題では、洪水予測、予測情報伝達、予測情報の有効活用の3つの観点から一体的に研究開発を推進します。具体的には、予測技術については、多様な観測情報等のデータ同化を駆使し世界で類を見ない超高解像度(日本域約30m、それ以外90m)・72時間以上先までの洪水予測システムを構築し、情報伝達については、予測情報のカスタマイズおよび適時適切な伝達を行うための情報統融合基盤を構築し、予測情報活用については、早期洪水予測情報をとり入れた治水計画のあり方を策定し、国や自治体の中長期的治水・土地計画や企業の事業継続計画の策定にも寄与します。以上を通じ、本課題では洪水発生を抑止し誰もが能動的に防災対応を判断・行動できる『洪水を災害にさせない社会』の実現に貢献します。



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高橋桂子運営統括による開会挨拶


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芳村圭教授によるプロジェクトの概要の紹介

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中村晋一郎准教授による「洪水に対する社会対応力の強化」に関する発表


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パネルディスカッション(第一部)の様子



以上

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