「世界一の安全・安心社会の実現」領域シンポジウム
「健全な社会と人を支える安全安心な水循環系の実現」 報告

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開催概要

日時
2024年8月2日(金)13:00~17:50
場所
東京ベイ有明ワシントンホテル(3F アイリスホール) ※対面+オンライン開催
主催
未来社会創造事業 本格研究 「健全な社会と人を支える安全安心な水循環系の実現(田中課題)」
   

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報告

 本格研究「健全な社会と人を支える安全安心な水循環系の実現(田中課題)」(研究開発代表者:田中宏明(信州大学))の第2回公開シンポジウムが2024年8月2日、ハイブリッド形式(東京ベイ有明ワシントンホテルおよびオンライン)にて、下水道展の併催企画として開催され、会場およびオンラインを合わせて約170名の方に参加いただきました。研究チームによる発表、研究成果のポスター展示の他、関連する研究者による招待講演、行政やメディア関係者を交えたパネルディスカッションが行われ、安全・安心な水循環系の実現に向けて多方面から活発な議論がなされました。

 冒頭では研究開発代表者の田中宏明先生により開催趣旨の説明、田中健一運営統括より挨拶とともに当研究課題の経緯や特徴の紹介がされました。続いて、田中宏明先生より本格研究の全体構想の説明、その後、研究チームの各研究者から「POC1:リスクモニタリング・評価(下水疫学)」と「POC2:リスクコントロール」について最新の研究成果と今後の研究計画の紹介がされました。POC1では重要管理点の特定や下水疫学の取り組み、POC2では水処理技術や社会実装に向けた試算を含めた道筋などの説明がされました。

 招待講演では、齋藤昭彦先生(新潟大学)より下水サーベイランスを活用した小児のウイルス感染症流行予測についての取り組みが紹介されました。臼井優先生(酪農学園大学)より畜産分野での薬剤耐性菌の実態と対策について紹介されました。パネルディスカッションでは、研究チームの松井佳彦先生(北海道大学)の司会のもと、田中宏明先生、齋藤昭彦先生、臼井優先生、吉川圭子 課長(環境省環境管理課)、嶋崎明寛 流域計画調整官(国土交通省官房参事官付)、磯部光徳 代表取締役社長(株式会社日本水道新聞社)が登壇し、最初に吉川課長、嶋崎調整官より各省庁での水行政の取り組みについて、磯部社長よりメディアから見た社会実装に必要なことについて話題提供がされました。水行政再編や環境基準の変更、PFASや薬剤耐性菌への対応など水循環系を取り巻く状況が変化する中、ディスカッションを通して当研究課題が果たす役割や産官学の連携の重要性について討議がなされました。

 田中課題では引き続き、水循環系における重要管理点を特定し健康リスク評価を行うこと、革新的水処理システムを開発しリスクコントロールすること、下水疫学を社会実装できる検出技術やシステムの開発を行うこと、これらを水インフラシステムに導入し、安全・安心な水利用・水循環系の実現に貢献します。



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ポスター展示の様子


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田中健一運営統括

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田中宏明先生



以上

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