国際科学技術コンテスト

科学オリンピックだより 2021 Vol.21

刺激や興味が科学を学ぶ原動力に

登壇者と久留米大学附設高等学校生との質疑応答では、宮崎さんが中島さんに「数学と音楽の共通点は何ですか」と質問。中島さんは「美しい音楽は美しい数式につながっている点や、ともに何かを“生み出す”“創造性”の点が共通していると思います」と回答し、続けて「宮崎さんの研究内容にとても興味が湧きました。醤油に聞かせる音楽のジャンルの違いによる変化など、ぜひいつかコラボレーションできるとよいですね」と提案しました。
楠元さんから「問題を解くことと研究の違いは何ですか」と問われた高橋さんは、「高校の物理はある程度どうなるかが分かっている現象を数学で定式化することが多いのに対し、大学での研究はそもそも何が起こるか分からないものを一から調べていくことができる点が魅力だと思います。ですから、著名な先生が間違えたりすることもあります」と回答。また、「科学オリンピック国際大会は10日間という短期間での交流でしたが、留学中の今は仲間と深い絆を築くことができます。今の仲間は6人中3人が国際科学オリンピック出場者で、世界の科学オリンピアンや研究者と共同研究できるのもとても楽しいです」と述べました。



高橋さんと仲間たち



国際数学オリンピック出場を目指している山之内さんからは、「現地で開催される国際大会参加に向けてのアドバイスはありますか」との質問が挙がりました。中島さんは「やっぱり現地に行くことで世界はさらに広がります。事前に日本についてしっかり語れるようになっておくと、彼らとの話も盛り上がって楽しいと思います」と回答し、「女子生徒の皆さんの一層の活躍を大いに期待しています」と激励しました。

最後に、これから科学オリンピックを目指す児童・生徒の皆さんへのメッセージを求められると、「メダリストや同年代である久留米大学附設高等学校の4人の話はとても刺激になりました。皆さんも何かしらの刺激を感じたと思いますが、その刺激や興味が科学を学ぶ原動力になると思います。今日感じた思いを忘れず、これからも一緒に頑張っていきましょう」と竹本さん。また、高橋さんは「科学そのものはもちろん、競い合ったり協力し合ったりと科学を通じた人とのつながりも大きな魅力です。科学オリンピックは日本大会なら日本中の、国際大会なら世界中の人とつながれるとてもよい機会です」と、あらためて国際科学オリンピック参加の意義を強調しました。中島さんも「一つのことを深掘りするのはもちろん、私のように好きなものや興味が複数ある人はそれらをつなぐ楽しさもあると思います。そして、“仲間”や“好き”をつなげて自分なりの研究や人生を歩んでいってほしいです」と述べ、2023年に開催される物理と数学の日本大会に向け「選手としてはもちろん、選手以外にもさまざまな関わり方があると思うので、ぜひつながって一緒に盛り上げていきましょう」と呼びかけ、トークショーを締めくくりました。



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