国際科学技術コンテスト

科学オリンピックだより 2021 Vol.21

科学のオリンピアンと一緒に科学のおもしろさに触れる

トークショーには、国際科学オリンピック応援団の五十嵐美樹さんを司会に、第27回国際数学オリンピック金メダリストであり、現在株式会社steAm代表取締役として科学教育分野の多方面にわたって活躍中の中島さち子さん、第46回国際物理オリンピック銅メダリストで現在オックスフォード大学留学中、同時にドイツ・マックスプランク量子材料大学院センターにも在籍し研究の研鑽を積む高橋拓豊さん、第53回国際化学オリンピック日本大会銀メダリストで現在洛南高等学校3年の竹本隆弘さんの3人が登壇しました。



東京のメインスタジオでトークを繰り広げる、向かって左から、
中島さん、竹本さん、高橋さん、五十嵐さん



「いま、なぜ科学が人気?!こどもからおとなまで実は科学好き~科学のオリンピアンと一緒に科学のおもしろさに触れてみよう!」をテーマに、まず、科学に興味を持ったきっかけや国際科学オリンピックを目指した経緯について、「子どもの頃はパズルが好きでした。あるとき、『物理に強くなる』という漫画で物理は日常のさまざまな現象を数学やパズル的思考で解き明かす学問だと知り、おもしろそう、自分に向いていそうだなと思い興味を持ちました」と高橋さん。竹本さんは「小学生の頃からよく科学館に連れて行ってもらっていました。展示内容はよく分かりませんでしたが、科学ってすごいなと思ったのを覚えています。僕も『実験対決』という漫画をきっかけに化学に魅せられ、理科部で自ら実験をするようになりました。部の先輩が『化学グランプリ』で日本一を取り、かっこいいなと思いましたね」と思い出を語りました。中島さんも「私は1つのことをじっくり考えることが好きで、月刊誌『大学への数学』にある“今月の宿題”に挑戦していました。そこで考え続けることの楽しさや仲間の多様な解法・考え方に触れ、私も数学オリンピックを目指してみようかなと思うようになりました」と、いずれも科学に興味を持ったきっかけとして1冊の本を紹介しました。

続いて、国際科学オリンピックに出場した感想やその後の進路に話題が及ぶと、3人から現地で撮影した写真とともに当時の思い出が語られました。「滅多に行けないインドやアルゼンチンで世界から集まった人と一緒に過ごした日々は五感で感じたものも多く、かけがえのない体験になりました」と中島さん。高橋さんも「競技は約10日間のうち2日程度で、参加者間で交流を深める機会が多くありました。うまく英語が話せなくても科学への興味は共通で、すぐ打ち解けられましたね。でも、日本では上位の成績でも世界ではさらに上のレベルの人がたくさんいて、世界で戦うためにはもっと頑張らないといけないとも思いました」と、国際大会出場を機に世界中から人が集まる環境に身を置きたいと強く思うようになったと振り返りました。一方、リモートでの国際大会を経験した竹本さんは、日本大会ならではのデザインが施されたメダルやVR空間内での交流会の様子などを紹介しました。





リモート開催された第53回国際化学オリンピックでのVR交流会について紹介する竹本さん


そして「ゆくゆくは化学者になりたいと考えていますが、具体的な進路はまだ決め切れていません。今日、中島さんや高橋さんのように多様な進路があることを知り、とてもワクワクしています」と将来への希望を語りました。



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