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ポリアセチレンの分子起動と性質

1976年、日本の化学者である白川英樹博士らがポリアセチレンに電気を通すことに成功しました。2000年、博士はこの業績でノーベル賞を受賞しました。

この電気を通すプラスチック、ポリアセチレンの性質についての問題が、
2001年全国高校化学グランプリで出題されました。

全国高校化学グランプリ2001 一次選考問題(一部改変)

次の文章を読んで各問に答えなさい。
2000年のノーベル化学賞は,白川英樹先生らに授与された。1976年,白川先生は,アセチレンをつなげて作ったポリアセチレン(1) という有機物質に電気を流すことに成功した.その研究はさまざまに展開され,電気を流す有機物質は,軽量,小型化が可能な利点を生かして,電池やモニタなど広範に応用されている。
ポリアセチレンは,エチレン(2) がいくつも連なったような分子である.エチレンの炭素原子は,原子核による束縛が比較的弱い電子を一つずつ持っているが,この電子がポリアセチレンの電気を通す性質を担っているのである.この電子は,図1 に示すように,エチレンの分子平面と垂直の方向に広がって存在している.電子の存在する領域を「軌道」といい,その軌道に電子が入っている様子を,図1のように表わす。
(中略)

問4. エチレンやブタジエンは無色であるが,Nが大きくなるとポリアセチレンは着色する.物質が色を持つのは,次のようなしくみによっている.光を照射すると,HOMO の電子が一個 LUMO へうつり,ΔE のエネルギーが吸収される.吸収される光の波長λと∆Eの間には,∆E = h c/λの関係がある.hはプランク定数とよばれる定数であり,cは光の速さである.h= 6.6 × 10–34 J s ,c = 3.0 × 108 m s–1 としよう.人間が見ることのできる光の波長領域は400 から800 nm(nm = 10–9 m)であり,この領域の光を吸収する物質が色をもつのである.物質が吸収する光の波長と色の関係は,図6のようになっている.
(中略)

(2)図6から,500 nmの光を主に吸収する物質は赤く見えることがわかる.エチレン単位が何個連なると,ポリアセチレンはこの波長の光を吸収するようになるか。図5も参照し.考え方とともに答えなさい.

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問題http://gp.csj.jp/data/gp2001-1Q.pdf

解説http://gp.csj.jp/data/gp2001-1Q.pdf

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