第2部では、『「科学」に国境はあるか?』、『「リケジョ」ってどんなヒト?』、『「科学」×「〇〇」の先にあるもの』の3つのテーマに沿ってトークショーが行われました。
登壇したのは、過去に国際科学オリンピックでメダリストに輝いた経験を持つ近藤宏樹さん、野田夏実さん、渡邉明大さんの3人です。モデレーターを務めた五十嵐美樹さんに加え、途中からはサテライト会場の前田陽由さん、安井万央さんも参加しました。2人の通う清真学園高等学校は、先進的理数教育を実施するスーパーサイエンスハイスクール(SSH校)に指定されています。
『「科学」に国境はあるか?』では、渡邉さんが初めて国際科学オリンピックに出場した際、「海外の選手と相部屋だった」と仰天エピソードを披露。代表選手5人に対して2人1部屋の部屋割りだったためで、お互いに英語が母国語ではなく無言の時間が続いたそうです。でも、「彼が日本で出版された物理のテキストの英訳版を持っていたことをきっかけに仲良くなった」と思い出を振り返ってくれました。
〇〇に好きな言葉を入れて、科学がボーダーやジェンダーを超える可能性を探った『「科学」×「〇〇」の先にあるもの』では、保険会社で働いていた経歴を持つ近藤さんが「私は〇〇に『社会』を入れました」と発表。「保険や金融商品は確率や統計を元に作られている」とのことで、「細かいことは分からなくても、何か確率の考え方でできているのだと知れば、お金の使い方に正しい感覚が持てるのではないか」と、身近にある科学について語っていました。
そんなトークショーの中で大きな盛り上がりを見せたのが、『「リケジョ」ってどんなヒト?』というテーマ。理系の女性を指す「リケジョ」という言葉に、実際の「リケジョ」たちはどんなイメージを持っているのでしょうか。
スタジオの野田さんは「そう呼ばれることは多い」とした上で、「リケジョになろうと意識したことはなくて、たまたま理系だっただけ」と言います。さらに「その言葉の裏に“理系なのに”とか“女子なのに”というのがあるのだとすれば、まだまだなのかなと思います」と話してくれました。
SSH校に通う前田さんは「特別な感情は抱いていません」としながらも、「そういう言葉が存在しているということは、社会的な偏見があるのかもしれない」とのコメント。
一方で、同校の安井さんは「私はリケジョという言葉にポジティブな印象を持っています」と言います。「尊敬とか憧れのイメージが強い言葉なので、友達に言われるとうれしかったりします」と意見を述べて、当の女性たちでも受け取り方はさまざまな様子でした。