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JST-CRDS/IRIS共催シンポジウム@JASIS WebExpo®
これからの先端研究機器 -新たな機器開発エコシステム形成へ向けて-

エグゼクティブサマリー

本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)と研究イノベーション学会の「研究基盤イノベーション分科会(IRIS)」が共同で開催したシンポジウム「これからの先端研究機器 -新たな機器開発エコシステム形成へ向けて-」の内容をまとめたものである。

近年、わが国の研究力の低下が指摘されている。その中でCRDSでは、研究力の源泉である「研究環境、いわば研究活動の“土壌”」にまつわる諸問題について様々な視座から検討をおこない、提言等をとりまとめてきた。その一つが2021年3月に発行した報告書「研究機器・装置開発の諸課題」である。報告書では、先端研究を切り拓く研究機器の重要性と、わが国にとって重要な研究機器開発エコシステム構築に向けた方向性を提起した。その具現化に向け、IRISと協力し2021年5月以降は産学官の関係者との議論を醸成する勉強会を継続している。

〈勉強会の主要な論点〉
• 独創的な研究開発の実行には、研究現場が自ら考案し開発した技術や装置が鍵となる
• 機器開発と開発した機器の利用による新しい研究成果の創出、その先にある産業や社会課題解決が相互にフィードバックするイノベーションエコシステムの構築が重要

これらの論点について、より多くの関係者と議論を共有すべく企画したのが、JST–CRDS/IRIS共催シンポジウム「これからの先端研究機器-新たな機器開発エコシステム形成へ向けて-」である。2022年2月16日に「JASIS WebExpo® 2021–2022」を通じライブ配信形式で開催した。

シンポジウムは3部構成で開催した。「課題提起」セッションでは、上述の報告書と勉強会での議論を紹介した。「産学からの講演」セッションでは研究機器に関連する産学の場において、第一線で活躍する4名の登壇者に講演いただいた。「パネルディスカッション」では、新たに4名の登壇者からのショートノート講演を行い、8名の登壇者で今後の課題や展望について議論した。

企業・大学・公的研究機関や官公庁等からおよそ500名に上る参加があり、研究・開発をはじめ、技術・設計、経営・管理等の幅広い職種からの参加があった。業種としても研究機器関連業界の他、教育機関や製造業、IT 等、広範な関心を集める機会となった。新たな研究を切り拓く機器開発エコシステムの構築には、多様な関係者の協働による、先端技術・機器の開発とそれらを用いて行う研究の両面からの成果を持続的に創出する必要がある。シンポジウムでの議論が、関係者と共に行動を起こしていく出発点になることを期待している。

※本文記載のURLは2022年5月時点のものです(特記ある場合を除く)。