センター長挨拶
研究開発戦略センター長
川合 眞紀
研究開発戦略センター(CRDS)は2003年の創立以来、公的シンクタンクとして、国内外の科学技術の動向調査、我が国の政策立案に向けた提言に少なからず貢献してきました。今後も我が国の科学技術の振興に際して信頼されるナビゲーターであり続けたいと思います。
科学技術イノベーションは、もとより個々の人びとの豊かな人生、国の安全・平和な存立と繁栄、さらに広く地球環境の保全や人類文明の持続のためにあります。グローバルな視点に立ち世界に共感を得る活動が必要です。 近年、地政学的な緊張が世界的に複数存在する中、それらを超えて科学者の叡智を未来に向けて集結し、常に情報を交換できる場を用意することも重要です。
我が国特有の喫緊の課題も存在します。我が国は世界的に突出した少子高齢化社会であり、地球温暖化と関係するエネルギー問題についても、資源に乏しい我が国は独自の解決策を模索する必要があります。 一国だけでは解決し得ない問題です。一方で、我が国は近代化の過程で様々な苦渋も経験しており、その過程で起きた自然災害や公害に対しては、問題を解決してきた知恵も持ち合わせています。世界の新興国の発展に向けて尽力することも可能でしょう。国際的に開かれた交流を通して、持続可能な発展に向けて力を合わせて進むことを期待します。
あるべき未来社会を支える科学技術には、単なる効率や利便のためのハード面の推進だけでなく、人間性の尊重、基本的人権の維持にむけた真の社会性が求められます。自然科学や工学、社会科学、人文学などの知を統合し、揺るぎない信頼を築かねばなりません。
CRDSでは、高邁な理念に裏打ちされた国際的にも影響力のある提案・発信を進めて参ります。
研究開発戦略センター長
川合 眞紀
川合眞紀 略歴
略歴
1980年3月 | 東京大学大学院理学系研究科博士課程修了 |
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1980年4月 | 理化学研究所特別研究生,日本学術振興会奨励研究員,大阪工業試験所非常勤臨時職員,(株)大阪ガス総合研究所を経て |
1985年5月 | 理化学研究所研究員 |
1988年4月 | 東京工業大学客員教授(理化学研究所から出向) |
1991年4月 | 理化学研究所主任研究員 |
2004年3月 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 (兼)理化学研究所主任研究員 |
2010年4月 | 理化学研究所理事 (兼)東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 |
2015年4月 | 理化学研究所理事長特別補佐 (兼)東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 |
2015年8月 | 東京大学大学院新領域創成科学研究科教授 |
2016年4月 | 自然科学研究機構分子科学研究所長 (兼)東京大学大学院新領域創成科学研究科教授(2017年3月末まで) |
2022年4月 | 自然科学研究機構長(~現在) |
2024年4月 | (兼)科学技術振興機構研究開発戦略センター長(~現在) |