海外調査報告書
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海外動向報告書 ASEAN諸国の科学技術情勢(2014年)

エグゼクティブサマリー

 科学技術振興機構研究開発戦略センターでは、我が国の科学技術政策の企画立案に資することを目的として、世界各国・地域の科学技術動向を把握し必要な分析を行った後、報告書等により適宜その結果を公表してきている。今回は、経済成長の著しいASEAN諸国十カ国に焦点を当て、これらの国々の科学技術動向を調査分析した。
 ASEAN諸国の経済発展については、近年かなり話題に上ることが多いが、科学技術の進展という面ではシンガポールを除いてそれほど注目されてこなかった。しかし、中国における人件費の高騰や外交関係の政治問題化に伴い、「チャイナ・プラスワン」といわれる経営戦略が広く日本企業に浸透した結果、従来から日本と深い関係にあったタイ、ベトナム、インドネシア等だけでなく、ミャンマー、ラオス、カンボジア等の国々にも日本企業の進出が増加したこと等により、これらの国々で経済成長が進んでいると言われている。経済成長がある程度進んでくると、その経済成長をさらに維持発展させるため国内における科学技術振興政策が拡大強化されるのは、これまで世界各国で見られた流れである。そこで当センターでは、経済成長著しいASEAN諸国において、科学技術がどの程度進展しているかについて調査分析することとした。