海外調査報告書
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科学技術・イノベーション政策動向報告~シンガポール~

エグゼクティブサマリー

 研究開発戦略センター海外動向ユニットでは、我が国の科学技術・研究開発・イノベーション戦略を検討する上で重要と思われる、諸外国の動向について調査・分析し、その結果を研究開発センター内外に「海外科学技術・イノベーション動向報告」として配信している。調査内容は、最新の科学技術・イノベーション政策動向・戦略・予算、研究開発助成機関のプログラム・予算、研究機関や大学の研究プログラム・研究動向などを主とした、科学技術・イノベーション全般の動向となっている。
 本報告書ではシンガポールの科学技術・イノベーション政策について調査を実施し、取りまとめた。
 小国であるシンガポールは、近年著しい経済発展を遂げ、一人当たりのGDPは既に日本を追い抜くまでに成長している。IMD世界競争力総合ランキングでは第2位を獲得しており(2007、2008年)、ビジネス効率や政府効率に関する複数項目においても、世界第1位あるいは上位にランクインしている。同ランキングにおいて小国が上位を獲得しやすいという傾向を勘案しても、シンガポールの経済指標の実績から、同国が国際競争力を著しく向上させているのは明らかである。
 シンガポール政府による政策はGDPの成長と雇用の創出に主眼を置いており、それらの目標に向けて、科学技術・イノベーションの分野でも政府主導によるトップダウン政策を多く実施している。どのような政策が国際競争力の向上や経済発展という成果につながったのか、同国の政策を調査することは意義があるものと考える。