俯瞰ワークショップ報告書
  • 科学技術イノベーション政策

地域SDGsミニセミナー実施報告書

エグゼクティブサマリー

少子高齢化、人口減少の進む日本において、地域の創生は、最優先の社会課題であり、地域の人口減少と地域経済の縮小を克服し、将来にわたって成長力を確保することを目指す「地方創生」として政策的取組が行われている。地方創生においては、持続可能な地域の実現に向けて地域の課題を解決していくことが必要であり、その際、地域の当事者が主体的に取り組むとともに、専門家との協働により科学技術イノベーション(STI)からのアプローチを活用することが重要であると考えられる。STI 政策においては社会課題解決のための研究開発が重要な課題となってきたが、近年、ミッション志向型政策アプローチやトランスディシプリナリー研究の手法が重視されている。一方、持続可能な開発目標(SDGs)は持続可能でよりよい世界を目指す国際目標である。SDGsの実現には、地域における取組みも重要であるとともに、STIの役割が大きいとされている。

そこで当センターでは、STIを活用した課題解決のアプローチとSDGsの視点を活かした地域課題解決の取組みに関し、事例に関する知見を収集して検討し、情報を発信することを目的とした調査を開始した。その際、STIに関する多分野の知見を提供しうる大学に着目した。本ミニセミナーでは、日本国内の地域の社会課題解決に取り組んでいる大学等の研究者、国及び自治体のSDGs担当者の方々を招聘し、取組や意見について、オンラインのミニセミナーの形式で講演をいただいた。全部で12回のミニセミナーを開催し、第1回から第6回までが大学関係者、第7回から第9回までが自治体関係者、第10回、第12回は地域のSDGsに関する専門的な活動を行っている研究者、第11回が内閣府の地方創生担当という内訳である。

本報告書はこれらの講演内容について事務局により概要を書き起こし、講演者による確認・修正を経て、記録としてまとめたものである。 本調査にあたってCRDSが有している主な問題意識(地域の課題解決における、ミッション志向型政策、トランスディシプリナリー研究及びSDGsの視点の活用)について、地域においてある程度の取組みが始まっており、一定の進展が見られている一方、より実効を挙げるための方策の検討が必要であることが、本セミナーの講演等から示唆された。

※本文記載のURLは2023年2月時点のものです(特記ある場合を除く)。