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日本語仮訳:トランスディシプリナリー研究(学際共創研究)の活用による社会的課題解決の取組み OECD科学技術イノベーションポリシーペーパー(88号)

エグゼクティブサマリー

複雑な社会的課題解決には、自然科学分野と人文・社会科学分野との学際的連携と、アカデミア以外の多様な関係者との共創的価値の創出が不可欠になっている。しかし、このような特徴を有する「トランスディシプリナリー研究(Transdisciplinary Research; TDR、学際共創研究)」について、各国で取組が始まっているものの、体系的に推進していくためには多くの課題が存在する。

本報告書は、このような認識を踏まえて、経済協力開発機構(OECD)グローバル・サイエンス・フォーラム(GSF)が実施した国際調査プロジェクト「トランスディシプリナリー研究の活用による社会的課題解決の取組み」の成果をとりまとめたものである(※)。

本プロジェクトでは、2018年12月より約1年半をかけて、日本、ベルギー、スイス、コロンビア、フランス、ドイツ、韓国、オランダ、ノルウェー、英国、米国の11か国の専門家が参画し、以下の取組みを通じてTDRの推進における課題や改善に向けた方策の検討を行った。
 1)TDRの理論的基礎及び方法論のレビュー
 2)TDRの成功要因の鍵となる変数や要素とそれらの分析枠組みの検討
 3)分析枠組みを用いた事例分析
 4)関連情報や政策的取組の分析によるグッドプラクティスの特定
 5)分析結果を踏まえたTDR推進のための提言の作成

本報告書では、TDRの実施に向けて重要な役割を担う、政府、研究資金配分機関、大学・公的研究機関、学界・学協会、国際組織といった、科学技術政策における主要な機関・関係者が取り組むべき事項に関する提言を取りまとめている。また、世界各国・地域で実施されている28のプロジェクトにおけるグッドプラクティスや課題、教訓を簡潔にまとめた事例集も含まれており、民間企業や非営利組織、地方自治体などTDRの実施において重要な役割を果たす関係者が、具体的な事例を通じて知見や有益な情報を得ることができるようになっている。

<本報告書の構成>
トランスディシプリナリー研究(学際共創研究)の活用による社会的課題解決の取組み
1.背景
2.トランスディシプリナリティーおよび関連する研究方法
3.方法論と事例研究
4.トランスディシプリナリー研究の理論的根拠
5.トランスディシプリナリー研究プロジェクトの主要な変数
6.トランスディシプリナリー研究を効果的に実施するための研究システムの課題
7.研究体制に留まらないトランスディシプリナリー研究の課題
8.TDRプロジェクトのモニタリングおよび影響評価
9.事例研究の概要
10.結語

※本報告書は、経済協力開発機構(OECD)のグローバル・サイエンス・フォーラム(GSF)におけるプロジェクト "Addressing Societal Challenges Using Transdisciplinary Research"(トランスディシプリナリー研究(学際共創研究)の活用による社会的課題解決の取組み)の成果を取りまとめた報告書について、国立研究開発法人科学技術振興機構 研究開発戦略センター(CRDS)が、OECD の許諾を受けて翻訳し、公表するものである。

※本文記載のURLは2020年10月時点のものです(特記ある場合を除く)。

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