俯瞰ワークショップ報告書
  • 情報・システム

エージェント技術

エグゼクティブサマリー

本報告書は、2022年1月26日に開催した「エージェント技術俯瞰ワークショップ」の内容をまとめたものである。

「エージェント」とは、自ら判断し行動する主体をコンピューターシステムとして実現したものである。実社会のさまざまな活動・現象をマルチエージェントシステムとしてモデル化・シミュレーションする「マルチエージェント」の研究開発、人間と音声・言語で対話する「対話エージェント」の研究開発、人間の心理・認知面も踏まえ、対話だけでなく外観・振る舞い等も含めた総合的な「ヒューマンエージェントインタラクション(Human-Agent Interaction:HAI)」の研究開発などが、活発に取り組まれているトピックである。このような研究開発によって、情報サービスやロボットとの新しいインターフェースの創出や、さまざまな社会活動・社会現象の分析・予測による社会課題解決につながると期待されている。

本俯瞰ワークショップでは、上記の3つのトピック「マルチエージェント」「対話エージェント」「HAI」を中心に、外部有識者9名を招き、注目すべき研究動向や今後の方向性・重要課題について議論した。その中では、ビッグデータと機械学習(深層学習、強化学習、逆強化学習など)の活用による実世界行動モデリングやエージェント設計論の進化、マルチエージェント間や人間-エージェント間のインタラクションにおけるさまざまな要因の取り込みが進んでいることが確認された。また、社会・人間の活動の理解や社会課題解決への貢献に向けて、「マルチエージェント」「対話エージェント」「HAI」の間の連携・融合強化の必要性や、マルチエージェント社会シミュレーションや大規模学習モデルなど計算リソース面の課題も論じられた。

※本文記載のURLは2022年2月時点のものです(特記ある場合を除く)。