研究者:横井 優(東京工業大学情報理工学院 准教授)
解くべき課題
みんなが幸せになる割当を実現するアルゴリズムが、当たり前に活用される社会をつくる
- さまざまな場面で、マッチングアルゴリズムが当たり前のように活用される社会となる
- 割り当てられる参加者にとって合理的かつ納得感のある結果を実現する
- 割り当てを決める担当者にかかる心労、疲弊、後悔等を軽減する
取組のポイント
社会実装の際の障壁になっていると思われる以下の問題の解消を目指す
問題① 参加者の選好(希望)を適切にデータ化することが困難である
(参加者の選好が曖昧であったり無自覚であったりして、アルゴリズムが必要とする希望順序を決められないことがある)
- [対応策の案]
- 参加者にあまり負担を感じさせずに必要な選好情報を引き出す仕組みをつくる。候補の一対比較や重視項目の問いかけ等。
- 「参加者による選好の申告 → マッチング・シミュレーション → 結果を踏まえた参加者による選好の再申告」というサイクルが回せる仕組みをつくり、参加者の選好の精度を高める
問題② マッチングアルゴリズムが、割り当ての方法として社会に浸透していない(担当者や対象者にアルゴリズムに親しんでもらいながら、利点や有効性を理解してもらう必要がある)
- [対応策の案]
- アルゴリズムのコードの公開。Excelやアプリなど、親しみやすいインターフェースを作成する
取組内容
- 小さな規模のマッチングの場面で試行的に、様々な質問形式で選好データを作成したりアルゴリズムを比較したりする実験を行う
【実験フィールドの候補】- 大学生にゲーム的に体験してもらう
- NPOの個別指導塾(先生と生徒のマッチング)
- インキュベーションセンター
- HCI (Human-Computer Interaction) 分野の技術の活用・研究者との連携
- 曖昧な選好でも扱えるようなアルゴリズムの設計
シナリオの関係者
- 伊藤 圭之(京都市)
- 田村 裕俊(株式会社博報堂)
- 中岸 恵実子(C C C M K ホールディングス株式会社)
- 馬場 雪乃(東京大学)
- 吉田 英樹(横河電機株式会社)
- 宮木 志穂(コーディネーター/ハーチ株式会社)
- 谷 明洋(科学コミュニケーター/元日本科学未来館)