トランスディシプリナリー研究の動向調査

RISTEXでは、日本におけるフューチャー・アース(Future Earth)の取組みの一環として平成26年度に「フューチャー・アース構想の推進事業」を立ち上げ、令和元年まで公募型の研究開発を実施しました(詳しくは、「多様な取組」の「フューチャー・アース構想の推進事業」のサイトをご覧ください)。令和2年度からは、JSTが研究費配分機関として、今後さらに日本のTD研究を推進していくためのエビデンスを得るための調査活動を実施しています。

トランスディシプリナリー研究とは

トランスディシプリナリー研究(TD研究)とは、ある社会問題の解決に向けて研究者とその課題に関わる人びと(ステークホルダー)が、研究開発のデザインから実施、そして研究開発で生み出した解決策の社会実装までを一緒に進めるようなスタイルの研究です。
RISTEXが推進するTD研究についてポスターおよび動画を作成しました。
ぜひご覧ください。

令和2年度調査では、RISTEXがフューチャー・アース構想の推進事業における公募型の研究開発として推進した調査および研究プロジェクト、また、JSTが参加しているベルモント・フォーラム(※)の多国間共同研究のうち、日本の研究者が参加した研究をふり返り、これまでの蓄積から得られる知見をまとめました。さらに、地球規模課題に 関する現在の日本の研究実施状況や類似研究の動向を調査・分析しマッピングしたうえで、今後のフューチャー・アースおよびベルモント・フォーラム関連の事業の推進に向けた示唆として整理しました。令和3年度は、令和2年度調査結果を踏まえ、複数のテーマで調査を実施しました。とりわけ人文・社会科学研究 やステークホルダーとの共創など、現行の研究評価では捉えづらいTD研究の特徴や成果に関する議論を整理し、研究者とステークホルダー間のネットワークとその広がり(「生産的な相互作用」)など、RISTEXとして着目したい成果の検討を進めました。これを受け、令和4年度は、実際にTD研究の成果の可視化や評価指標の検討・試行を実施しました。令和5年度も引き続き検討を行う予定です。

これまでの動向調査の内容を、いくつかピックアップしてデジタルパンフレットを作成しました。TD研究に従事する研究者やステークホルダーのみなさま、社会課題に取り組むための共創的な研究開発に関心を持つ多様な方々に読んでいただければ幸いです。

画像:トランスディシプリナリー研究パンフレット表紙
  パンフレット(PDF 5,283KB)

  • ベルモント・フォーラム(Belmont Forum)
    地球の環境変動に関する研究への支援を行う世界各国のファンディング・エージェンシー(研究支援機関)および国際的な科学組織のグループ。国際的共同研究において研究者を結集し研究資金を支援することにより、人類社会の持続可能性を阻む重大な障害を取り除くために必要とされる環境関連の研究を加速、深化させることを目的としている。
    JSTのベルモント・フォーラムに関する活動についてはこちら

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