- 社会的孤立
2026年7月21日
社会的孤立枠2023年度採択プロジェクト「AYA世代がん患者の孤立・孤独を先制的に一次予防するフィジカル空間とサイバー空間を融合させたネットワーク介入の開発」(研究代表者:藤森麻衣子)による調査研究の成果が、国際学術誌 BMJ Public Healthに掲載されました。
- 論文タイトル:「健康状態が孤独に及ぼす影響の世代差:日本の全国調査に基づく思春期・若年成人世代の脆弱性」
- 英題:“Health vulnerability and loneliness among adolescent and young adult populations: a comparison of generations based on a nationwide survey in Japan”
- DOI:10.1136/bmjph-2025-003783
研究成果の概要
孤独は心身の健康に影響する重要な社会課題ですが、孤独に関連する要因が世代によってどのように異なるかは十分に明らかにされていません。本研究では、内閣府が2022年および2023年に実施した「人々のつながりに関する基礎調査」のデータを用い、全国の16歳以上22,361人を、思春期・若年成人(AYA)世代(39歳以下)、中年世代(40-64歳)、高齢世代(65歳以上)に分けて比較しました。孤独感は3項目版UCLA孤独感尺度で評価し、社会的背景、健康状態、生活満足度、不安、社会活動への参加などとの関連を分析しました。その結果、AYA世代と中年世代は、高齢世代よりも孤独感が強いことが示されました。また、相談できる相手がいないこと、主観的な健康状態が悪いこと、生活満足度が低いこと、不安があること、社会活動に参加していないことが、世代を問わず強い孤独感と関連していました。特に、AYA世代では健康状態不良と孤独感との関連が高齢世代より有意に強く(交互作用β=0.80, p<0.001)、不安および非雇用状態と孤独感との関連は、高齢世代よりもAYA世代や中年世代などの就労年齢層で強く認められました。若い世代の孤独を予防するには、人とのつながりを支えるだけでなく、心身の健康や就労上の困難にも着目した支援が重要です。