藤森PJ 研究成果を論文発表「がんサバイバーにおける孤独感が抑うつに及ぼす影響:思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult: AYA)世代と壮年・高齢世代の比較」【SOLVE(社会的孤立枠)】

  • 社会的孤立

2025年8月16日

社会的孤立枠2023年度採択プロジェクト「AYA世代がん患者の孤立・孤独を先制的に一次予防するフィジカル空間とサイバー空間を融合させたネットワーク介入の開発」(研究代表者:藤森麻衣子)による調査研究の成果が、国際学術誌 BMC Cancerに掲載されました。

  • 論文タイトル:「がんサバイバーにおける孤独感が抑うつに及ぼす影響:思春期・若年成人(Adolescent and Young Adult: AYA)世代と壮年・高齢世代の比較」
  • 英題:“Impact of loneliness on depression among cancer survivors: a comparison between adolescents and young adults and other age groups”
  • DOI:10.1186/s12885-025-14734-4

研究成果の概要

本研究では、がんサバイバーの孤独感と抑うつの因果経路を構造方程式モデリングで検討しました。合計3,565例(AYA世代(39歳以下)743例)を対象に、Web調査を実施し、孤独感、抑うつ、QOL、ソーシャルサポート、レジリエンス、経済的負担、がん関連スティグマなどを測定しました。最終的なモデルでは、孤独感から抑うつへの有意な関連を確認し(標準化係数: 0.214、95%CI: 0.184–0.243、P <0.001)、この関連は、壮年・高齢世代と比べAYA世代で、より強いことが分かりました。ソーシャルサポート、レジリエンス、経済的負担、がん関連スティグマは、孤独感や抑うつに直接・間接に関連しました。また、女性であること、配偶者/パートナーがいることがソーシャルサポートを有していることと関連し、就労以外での社会参加が無いことが強い孤独感と関連しました。

これらの結果は、AYA世代のがんサバイバーの抑うつ予防のために孤独感へ介入する意義を示唆しており、また、先述の心理社会的要因が孤独感と抑うつリスクのスクリーニングに有用である可能性が考えられました。

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