産学連携学会第23回大会 CRDSオーガナイズドセッション
知財を活かす、デザインでつなぐ、共創で育む ―産学橋渡しを強化・推進するアプローチ―
エグゼクティブサマリー
近年、科学技術・イノベーション政策の目的や対象は拡大し、多様な価値を生み出すエコシステムの構築が求められている。しかし、従来の産学橋渡しの取組は、その多様性や多面性を十分に反映しているとは言い難い。CRDSではこの課題意識を出発点に、幅広い技術・産業領域を俯瞰し、イノベーションの実現に大きな影響を与える「社会普及性」に関わる因子を検討した。「有効な知的財産権の取得」「デザイン」「産学共創の場」の3点を、産学連携を推進するうえで不足している“ミッシングパーツ”と位置づけ調査を実施し、その成果を報告書『科学技術・イノベーションエコシステムにおける産学橋渡しの課題 ―知的財産・デザイン・共創の観点から―』(2025年3月発行)としてまとめた。
この報告書を題材に、今後の産学連携のあり方や課題を議論するため、多くの産学連携の関係者が集う産学連携学会の第23回大会(2025年6月)において「CRDSオーガナイズドセッション」を開催した。
本セッションでは、大学・企業・行政のそれぞれの立場で先進的な取り組みを進める5名の専門家が登壇いただいた。その上で、登壇者全員とCRDSによる総合討論を実施。「産学橋渡しの課題は何か」、「その突破口はどこにあるか」をテーマに意見を交わし、今後の発展的な産学連携の姿について議論した。参加者との議論を通じて、多様なステークホルダーが参画する産学による共創の場のあるべき姿を探った。
本報告書は、これら講演および総合討論の内容を取りまとめたものである。大学等の産学連携機関や研究者、産学官の今後の連携強化へ向けた一つの契機となることを期待する。
※本報告書の参考文献としてインターネット上の情報が掲載されている場合、当該情報はURLに併記された日付または本報告書の発行日の1ヶ月前に入手しているものです。