研究開発の俯瞰報告書
  • 科学技術イノベーション政策

日本の科学技術イノベーション政策の変遷2021 科学技術基本法の制定から現在まで

エグゼクティブサマリー

我が国における科学技術イノベーション(STIと略する)政策の歴史的な変遷をできるだけ見通しよく簡潔な形で示すことを目指して、科学技術基本法制定(1995年)から2020年にわたる主要な政策の各年動向をまとめた。

俯瞰の方法は、STI政策全体を「基本政策」、「人材育成」、「産学官連携」、「地域振興」、「知的財産・標準化」、「研究基盤整備」、「研究開発資金制度」、「評価・モニタリング」、「国際活動」、「科学技術と社会」の10領域に分類し、これらを「STI推進基盤」と総称した。STI推進基盤は、個別の研究開発分野(情報通信、ライフサイエンス等)に関わる政策を直接対象とするのではなく、別の角度から共通的な政策を見るものである。さらにSTI政策全体を第1層(戦略・政策)、第2層(施策)、第3層(制度・事業)の3階層に分けた。10領域の他に「科学技術関係経費」についても機関ごとの状況を俯瞰している。

俯瞰の基礎資料として、科学技術白書、行政事業レビューシートをはじめ、総合科学技術・イノベーション会議や関係府省庁等の公表情報を幅広く収集した。また、有識者や行政担当者からの情報提供も適宜参考にした。それらを基に、上記10領域ごとに、1995年以降の政策や施策等の流れをまとめた概要の文章(数ページ)と、施策等の継承関係を時間順に系統図としたものを一組として構成した。末尾の政策年表においては、STIに係わる第1層~第3層の各政策を年順に並べているが、一つの政策が10領域の複数にまたがっている場合には、表内に記号を記載して識別できるようにした。

2020年の主な政策動向としては、COVID-19の影響、科学技術・イノベーション基本法改正、次期基本計画案、重要テーマであるカーボンニュートラルとDXを取り上げ、その概要と課題をまとめた。

目次

日本の科学技術イノベーション政策の変遷2021 科学技術基本法の制定から現在まで