研究開発の俯瞰報告書
  • 科学技術イノベーション政策

日本の科学技術イノベーション政策の変遷2020 ~科学技術基本法の制定から現在まで~

エグゼクティブサマリー


我が国における科学技術イノベーション(STIと略する)政策の歴史的な変遷をできるだけ見通しよく簡潔な形で示すことを目指して、科学技術基本法制定(1995年)から2019年にわたる主要な政策の各年動向をまとめた。2019年に発行した前報告書に比較して、新たな情報を書き加えるとともに、利用しやすくなるように全体構成を見直した。

俯瞰の方法は、STI政策全体を「基本政策」、「人材育成」、「産学官連携」、「地域振興」、「知的財産・標準化」、「研究基盤整備」、「研究開発資金制度」、「評価システム」、「国際活動」、「科学技術と社会」の10領域に分類し、これらを「STI推進基盤」と総称した。STI推進基盤は、個別の研究開発分野(情報通信、ライフサイエンス等)に関わる政策を直接対象とするのではなく、別の角度から共通的な政策を見るものである。さらにSTI政策全体を第1層(戦略・政策)、第2層(施策)、第3層(制度・事業)の3階層に分けた。

俯瞰の基礎資料として、科学技術白書、行政事業レビューシートをはじめ、総合科学技術・イノベーション会議や関係府省庁等の公表情報を幅広く収集した。また、有識者や行政担当者からの情報提供も適宜参考にした。それらを基に、上記10領域ごとに、1995年以降の政策や施策等の流れをまとめた概要の文章(数ページ)と、施策等の継承関係を時間順に系統図としたものを一組として構成した。末尾の政策年表においては、STIに係わる第1層~第3層の各政策を年順に並べているが、一つの政策が10領域の複数にまたがっている場合には、表内に記号を記載して識別できるようにした。

最近の動向としては、ムーンショット型研究開発制度の開始、研究環境に係わる大きな制度改革の動き、新しい段階に入ったSDGsの動き、科学技術基本法の改正と第6期科学技術基本法の検討状況等を掲げた。

※本文記載のURLは2020年3月時点のものです(特記ある場合を除く)。