福祉専門職と共に進める「誰一人取り残さない防災」の全国展開のための基盤技術の開発

イメージ:高台避難東日本大震災における障がい者死亡率は、全体死亡率の約2倍。問題の解決には、福祉と防災を切れ目なく連結することが必要。

図:知の組み合わせ 人文・社会科学(社会学・社会福祉学・人文地理学・社会心理学)×自然科学(防災工学・情報学・社会システム工学)×現場知・地域知(自治体・NPO・福祉専門職・社団法人・要配慮者・地域住民等)

背景

災害時に障がい者や高齢者に被害が集中する災害弱者問題は、平時の保健・福祉と災害時の防災・危機管理の取組の縦割り・分断に根本原因がある。解決には、平時から福祉と防災を切れ目なく連結し、障がい者や高齢者等の要支援者と相談しながら個々の身体状態等に応じた「災害時ケアプラン」を作成できる福祉専門職の育成が必要だが、そのための基盤技術開発には至っていない。

研究開発のアプローチ

本プロジェクトでは、平時の支援者で当事者をよく知る相談支援専門員や介護支援専門員等の福祉専門職が、当事者と地域住民との共創による「災害時ケアプラン」作成に関する知識・実務を習得するための育成プログラムを構築。災害被害シミュレーションに基づく生活機能アセスメントツールのアプリ化/実装や、地域で実働させるための機能として地域プラットフォーム形成技術を確立。内閣府中央防災会議サブWGで取組事例を紹介し、全市区町村における個別避難計画策定の努力義務化を含む災害対策基本法等一部改正(令和3年5月20日施行)に貢献する等、事業モデルの全国展開のための法的基盤を構築した。

成果

研究成果は別府市・兵庫県での実装の他、滋賀県・長崎県・宮城県・神奈川県へも横展開される等、全国でのべ約3千人以上がプログラムを受講した。さらにJICAと連携し、エクアドルやタイでも研修が開始されるなど、国内外に展開。災害時に障がい者や高齢者に被害が集中する災害弱者問題の解決や、「誰一人取り残さない防災」の全国展開に大きく貢献した。

SOLVEシナリオ・ソリューションロゴマーク SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム(シナリオ創出フェーズ、ソリューション創出フェーズ)
※本プログラムにおける研究開発予算規模(直接経費):1プロジェクト1千9百万円/年 程度上限
プロジェクト実施期間:2019年11月~2023年3月



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