科学技術未来戦略ワークショップ報告書
- バイオ・ライフ・ヘルスケア
2024年10月
CRDS-FY2024-WR-05
食・栄養に対する生体応答メカニズムの基盤的理解と健康・予防の知的基盤構築
エグゼクティブサマリー
本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が令和6年6月11日に開催した科学技術未来戦略ワークショップ「食・栄養に対する生体応答メカニズムの基盤的理解と健康・予防の知的基盤構築」の内容をまとめたものである。
社会の超高齢化に伴い、生活習慣病対策や健康寿命延伸、生活の質(QOL)の維持・向上に対する社会的ニーズが高まっている。健康や予防における食・栄養の重要性は従来から認識されていたが、その科学的根拠は十分に蓄積されていない。しかし、近年の計測・解析技術の進歩により、食生活や栄養状態の定量的評価や、栄養や代謝に関する基盤的なメカニズム解明が急速に進みつつあり、多因子が複雑に絡む栄養・代謝研究は新たな展開を迎えている。このような背景を踏まえ、JST-CRDSでは、食・栄養に対する生体応答メカニズムの基盤的理解と健康・予防の知的基盤構築に関する戦略提言に向けて、調査活動を進めてきた。
本ワークショップでは、食・栄養に対する生体応答メカニズムの基盤的理解と健康・予防の知的基盤構築に関し、基礎研究、臨床応用、計測・解析技術開発、研究基盤整備の観点から、最新の研究開発動向の話題提供と、今後取り組むべき研究開発課題や推進策について総合討論を行った。総合討論においては以下のような観点について議論が行われ、方向性が示唆された。
- わが国において推進すべき研究開発戦略
- 食・栄養に着目した分野融合研究の推進
- 研究者層の状況と取り組むべき課題・方策
- 研究基盤の整備(ヒト研究/データ基盤/ 疫学との連携)
- 成果創出のために必要な支援、時間軸
- 想定される社会・経済的効果
- 短期的(5 ~10 年後)科学技術上の効果、社会・経済的効果
- 中長期的(10 ~20年後、その後)に期待される社会像
- 研究成果の最大化に向けた戦略
- 既存施策との関係・相乗効果
JST-CRDSでは、本ワークショップにおける議論を踏まえ、戦略プロポーザル「食・栄養に対する生体応答メカニズムの基盤的理解と健康・予防の知的基盤構築(仮称)」を刊行予定である。
※本文記載のURLは2024年6月時点のものです(特記ある場合を除く)。