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電気-物質エネルギー変換技術の革新 ~再生可能エネルギーの大量導入に向けた多様な反応場の実現~

エグゼクティブサマリー

本提言は、電気-物質エネルギー変換技術(物質との相互変換を利用して電気エネルギーを生成、変換、貯蔵する技術)の高度化・多様化を通じて、再生可能エネルギーの時間変動性や適地の局在性に伴う需給ギャップを解決し、再生可能エネルギーの有効利用を可能にする研究開発戦略である。再生可能エネルギーの大量導入にあたっては、蓄電池、燃料電池、電解といった電気-物質エネルギー変換を利用したデバイスの大量導入も必要となる。

本提言では、反応基質、電子・イオンといった電荷担体(キャリア)、電極材料、電解質材料といった構成要素だけでなく、デバイスの作動パラメーターである温度、pH、電圧といった反応環境変数を含め、デバイス特性を司る制御因子を広く“電気-物質エネルギー変換反応場”と定義する。そして、エネルギー効率・反応速度の観点からより理想的な反応環境やエネルギーインフラとしてより広範な作動環境を実現する材料・デバイス開発の方向性を提言する。特に、反応場のデバイス横断的な理解に取り組み、デバイス性能の制御因子の知的基盤を構築することで、わが国が強みを持つ電気化学デバイス材料の新規シーズ創出やデバイス間の技術融合による研究開発の加速が期待される。

※本文記載のURLは2023年3月時点のものです(特記ある場合を除く)。