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ナノテクノロジー・材料分野 区分別分科会「光技術の俯瞰 ~光技術の注目動向と日本の技術力強化の方向性~」
エグゼクティブサマリー
本報告書は、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)が令和1年12月23日に開催した『俯瞰ワークショップ(WS) ナノテクノロジー・材料分野 区分別分科会「光技術の俯瞰 ~光技術の注目動向と日本の技術力強化の方向性~」』に関するものである。
光の技術は光通信、自動運転、ディスプレイ、イメージセンサ、LED照明、太陽電池、レーザー加工、計測・評価装置などの民生用製品や産業用製品に広く使われ、情報処理・通信分野、エネルギー分野だけでなくバイオ・医療の分野への利用も進んできている。今後は、各技術の高度化はもとより、異分野の技術との融合・統合により新たな技術領域や応用分野を作り出していくことが期待される。一方、エレクトロニクス、通信機器、計測装置など以前は日本が先端技術を保有し競争力が強かった産業分野において、最近は産業競争力が低下している。また、今後の成長が見込まれるバイオ・医療などの新領域や、光技術の基盤となるレーザーや検出器などの技術でも、海外の装置に席巻される状況になってきている。このような状況を踏まえ、今後の大きな発展が期待され注目される光技術、世界との競争において日本が強化していくべき技術・応用領域、異分野融合や人材育成も含めた光技術の強化に必要な視点・考え方、それを強力に推進できる研究体制、などについて議論を深める目的で、今回のワークショップを開催した。
ワークショップでは、コンピューティング技術、イメージング・計測技術、次世代光学素子/新たな光基盤技術、に関する話題提供を行い、招聘者への事前アンケートの回答も踏まえて総合討論を行った。その結果、(1)注目されている光科学技術、社会・産業上重要な分野、保持しておくべき基盤技術、(2)日本として強化していくべき分野、(3)光の分野で日本が世界に伍していくために必要な体制・仕組み、(4)光技術の俯瞰図、(5)今後の光技術発展への期待、について重要な視点や知見が得られた。
これらの結果は、CRDSでさらに検討を加えて2020年度末に発行予定の「研究開発の俯瞰報告書 ナノテクノロジー・材料分野(2021年)」に反映させるとともに、今後の戦略提言にも活用していく予定である。
※本文記載のURLは2020年3月時点のものです(特記ある場合を除く)。