- 環境・エネルギー
環境・エネルギー分野(2019年)
エグゼクティブサマリー
本報告書は、JST-CRDSが環境・エネルギー分野における最新の研究開発動向やトピックス、研究課題、国際動向などの情報を中立的かつ客観的に俯瞰調査、分析した結果をまとめたものである。俯瞰調査にあたっては、環境・エネルギー分野において26の研究開発領域を抽出し、各領域の専門かつ最新の知見を有する学協会、有識者の協力を得た。
世界が憂慮するグローバルリスクにおいて、異常気象、自然災害、気候変動緩和や適応への失敗といった環境・エネルギーに関わる項目が上位を占めている。各国・地域は国際的な協調を模索しながら国連の持続可能な開発目標(SDGs)やパリ協定に協力して取り組み、同時に自国の発展のための安全、安定、かつ経済的なエネルギーシステムの構築や、環境の保全及び持続可能な管理・活用に取り組んでいる。
研究開発動向の俯瞰調査から、我が国の環境・エネルギー分野の研究開発は着実に進められてきており、一部では世界的にトップ水準の取組みが認められた。その一方で、工学系の大学院進学者数の大幅な減少に加えて、工学系の基礎基盤的な研究を戦略的に推進する機関や枠組みが国内にほとんど無く、我が国の産業を支える環境・エネルギー分野の研究開発力の低下につながる危機感が高まっている課題などが浮かび上がった。
環境・エネルギー分野においては引き続き中長期的観点から大きな方向性を示し、それに向かう研究開発を全体バランスを考慮しながら推進していくことが必要である。またこれを実現するためには、科学技術と社会との関わりや俯瞰的な視野を持った政策的リーダーシップの重要性がこれまで以上に増すと予想される。
今後の我が国における環境・エネルギー分野の研究開発の方向性として重要なキーワードは5つある。それは、「ゼロエミッション」、「アダプテーション」、「サーキュラー」、「スマート」、「セーフティ」である。持続可能な社会の構築と発展に向け、持続可能性(サステナブル)と包摂性(インクルーシブ)を中心的な価値観として捉えた上で、これら5つを大きな方向性として掲げつつ研究開発を統合的に推進していくことが必要である。なおこれらの方向性は国際社会が目指す方向性とも概ね一致しており、自国における取組みと同時に国際的な協調も意識した対応が求められている。
※本文記載のURLの内、特に記載の無いものは2018年12月1 日時点のものです。
目次
研究開発の俯瞰報告書 環境・エネルギー分野(2019年)
- 研究開発の俯瞰報告書 概要 環境・エネルギー分野(2019年) [PDF:1.7MB]
- エグゼクティブサマリー [PDF:1.6MB]
- 目次 [PDF:0.6MB]
- はじめに [PDF:1.0MB]
- 1.研究対象分野の全体像 [PDF:8.6MB]
- 1.1 俯瞰の範囲と構造
1.2 分野の研究開発を取り巻く現状
1.3 今後の展望・方向性
- 1.1 俯瞰の範囲と構造
- 2.研究開発領域 [PDF:3.3MB]
- (エネルギー)−1 [PDF:1.8MB]
- エネルギー資源探査・開発技術、火力発電、CCU(Carbon Capture and Utilization)、原子力利用
- (エネルギー)−2 [PDF:1.5MB]
- 太陽光発電・太陽熱発電、風力発電、バイオマス利用、その他の再生可能エネルギー利用(地熱、海洋)
- (エネルギー)−3 [PDF:1.3MB]
- 電気エネルギー利用、熱エネルギー利用、化学エネルギー利用、基礎化学品合成プロセス
- (エネルギー)−4 [PDF:1.2MB]
- 燃焼、トライボロジー、エネルギーシステム評価
- (環 境)−1 [PDF:1.4MB]
- 気候変動観測、気候変動予測、水循環、水処理
- (環 境)−2 [PDF:1.4MB]
- 生物多様性・生態系の把握、生物多様性・生態系の管理・活用、環境分析・物質動態、汚染物質の除去・浄化
- (環 境)−3 [PDF:1.4MB]
- 資源・生産・消費管理、リサイクルと循環利用、健康・都市生活
- (エネルギー)−1 [PDF:1.8MB]
- 付録 [PDF:1.1MB]
- (付録1)検討の経緯
(付録2)作成協力学協会・協力者一覧
(付録3)研究開発の俯瞰報告書(2019年)全分野で対象としている俯瞰区分・研究開発領域一覧
- (付録1)検討の経緯
- 謝辞 [PDF:1.0MB]