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2014年AAAS年次大会CRDS主催シンポジウム報告書Report on CRDS Symposium Session at 2014 AAAS Annual Meeting

エグゼクティブサマリー

 米国科学振興協会(American Association of Advancement of Science: AAAS、トリプルエーエス)は、1848 年設立の世界最大級の学術団体であり、科学雑誌 Scienceの発行元としても知られている。その年次大会には、米国内外からから数千人の科学者、技術者、教育関係者、ジャーナリスト、政策担当者が参加し、科学研究や教育について、毎年掲げられるテーマの下に幅広い視点から約160のセッションが持たれ講演と議論が行われる。
 科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)では、2014年のテーマである“Meeting Global Challenges”が、CRDS で検討している、研究開発戦略立案における「社会的期待・邂逅」に通じるという理解の下、以下のタイトル及び内容にて企画シンポジウムを提案したところ、審査を経て 受理された。
 タイトル:Science Policy-Making that Meets Social Challenges and Motivates Scientists
 内容:各国での科学技術イノベーション(STI)政策においては、従来の科学技術分野駆動の研究開発とは対照的に、社会の抱える様々な問題の解決をゴールに据えた研究開発を通じて社会的期待に応えることが強く意図されるようになっている。しかし、こうした Issue-drivenの研究開発戦略では、社会的課題の同定を客観的、論理的に進める方法論が十分確立されておらず、また多くの場合課題が政策決定者によってトップダウン的に決定されてしまうため、科学研究の自治が担保されない、あるいは現場の研究者の自発的な研究動機を損なうなどの懸念が指摘されている。本セッションでは、まず、Issue-drivenの研究開発戦略の策定についての意義や経験を Speaker 及び参加者の間で共有する。続いて、研究者に社会的期待に応える役割意識を醸成し研究に対する強い動機を誘発する方策、有望な若手研究者がキャリアパスの展望を得られる仕組み、研究現場からボトムアップ的に提案される課題を研究開発戦 略に生かす方法等について議論する。
 当シンポジウムでは、「課題達成型」の研究開発戦略による問題解決が志向される中で、そのための方法論の検討の必要性を再確認する。トップダウン型の研究開発戦略において科学者のモチベーションを如何に醸成するかについても議論の幅を広げる。